気まぐれエッセイ@メキシコ

不定期に適当な文章をつづっていきます(現在バヨ中心)

中国のバイオリン、二胡

 これまた日本滞在中の話なんですが。

 両親の住んでる近くにハードオフがあるのは知ってました。でも用事がないので入ったことはなかったんですが、今回の滞在中に、両親が使ってた古いノートパソコンを三台ほど、そこで引き取ってもらえないかなあ? という話が出て、一個はもう私でも「うわ~何これ、パソコンなの?」ってくらい古いものでしたが、とりあえず起動はするので、持っていきました。さすがに古くて、一台以外は使い物にならないということで処分だけお願いしました。

 その査定を待ってるあいだ、お店を見てまわってたんですよね。ハードオフってパソコンとかデジタル機器ばっかりかと思ってたら、ギターがけっこう大量にあり、エレキだけじゃなくアコギもあり、バイオリンも一挺ですが(しかも3/4サイズだった)あり。譜面台とか、ドラムセットもけっこうありましたね。ウクレレも複数ありました。

 そして、その中に一個だけ、二胡があったんです。おおおお!ってなりました。

 

 前にここで馬頭琴の動画をいくつか紹介しましたが、私、ああいうのけっこう大好きなんですよねえw 馬頭琴はマジで、手頃なお値段のがあれば買ってもいいなーと思ってたくらいで。

 二胡も、馬頭琴とよく似てます。小さな胴体に長い棹、弦は二本で、膝に立てて持ち、弓は水平に動かす。馬頭琴を買うとしても、実物見ないでネット通販はやっぱり品質とかわからないから怖いなあ、と思ってましたが、二胡は実物が目の前にある! しかも中古でお買い得!(かもしれん) お値段は8000円でした(税抜き)。よくわからんけど、ぱっと見それなりの品質っぽくて、そんな見るからに安物!ではなかったです。

 だいぶ迷いましたが、まあ何にも知らないのに、いくら安いと言ってもなあ、というのと、今回は🎻のリンさんを持ち帰るという大事業?が控えてるから、そっちのほうが大事、ということで後ろ髪を断ち切りました。お店にあった他の楽器は、どこそこにわずかな不具合あります、とか書いてあるのに、二胡にはそういう記述がなかったのも不安要素でした(お店の人もわからなかったのかもしれない)。必要な小物はセミハードケースや弓を含め、すべてそろっているようでしたが。

 

 でも、メキシコに帰ってきて落ち着くと、やっぱ気になるw ネットであれこれ検索しました。

 まずは音色、どんなん? 今自分が弾いてるロンドンデリーで比べるのがわかりやすいかも、といくつかある演奏を探してみました。

 そしたら、これは……! すごい! まず、楽器の音なのか人の声なのか(映像がないので)わからないくらいの音色です。


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 しかしこの人の演奏は、かなり低音。いろいろ調べてみましたが、それについては後述します。

 この動画では、実際にどう演奏しているかの映像がないのが残念。そこで、演奏風景を見られる動画を探しました。

 

 普通の(?)音程の二胡だと、このくらいですかね。


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 これは、合奏しているギターも改造?されてて、なかなか良い感じです。二胡が入るのは後半、1分半くらいからです。

 これ見るとわかりますが、弓の毛は、2本の弦のあいだに通ってます。内弦外弦というらしいですが、それぞれを弓の毛の別の面で弾くわけです。面白ーーーーい! これは演奏前に、弓から毛の端を外して弦のあいだに差し入れ、また弓に装着するという作業が必要な様子。

 

 楽器、見た目はこんな。写真はネットから勝手にお借り。

 胴体の前に張られているのは、なんと、ニシキヘビの皮!!!だそうで、それも野生のがいいそうです……。う~む、三味線も猫の皮がいいとかいうし、ちょっとそこ考えると、やっぱり手を出すのはためらわれるんだよなあ……。もちろん安物楽器なら、模様はヘビの皮っぽくしてても偽物だったりするそうですが、ハードオフで見た楽器はどうだったか、そこまで細かく見なかったからわからないけど……。

 

 胴体の表と裏のアップ写真も。

 裏はこんな感じで、手の込んだ格子細工になってるみたい。音はこちらから抜けるんですね。

 そして、表のヘビ皮の真ん中に黒っぽい小さながありますが、これは使わないときは外すみたいで、そうしないと(貴重な)皮が傷んでしまうんだとか。弦の圧力ってかなりですもんね。そしてその下に挟み込んである白い四角いのは布で、これも微妙な調整で音の質が変わるらしいです。

 チューニングは、内弦がD(レ)、外弦がA(ラ)で、バヨの4本のうち真ん中の2本と同じ。これも、解説動画を見ていると、棹が長くて細いので、片方を合わせても、もう一本を調弦すると、狂ってくるそうで、両方合わせるにはけっこう手間みたい。

 アジャスタは両方の弦についてるようです。しかしそれもバヨとはまったく違う位置、ペグのすぐ下に、宙ぶらり~んに!

 赤い矢印のところにある二つの金属片がアジャスタです。

 その下の青い矢印は、糸で弦を押さえてるんですが、これがナットに当たる部分。お店で見たときは知らなくて、運搬のときに引っかけたりしないよう補強してるだけかと思ってましたw 何も知らずに買って、外したり切ったりしてたらアホですねw

 馬頭琴と同じで、弦は音高を変えるために押さえるとは言っても、棹(指板)につくほどには押さえないみたいで、ふむ、つまり常にフラジオレットの状態か、と思ったんですが、押さえる力の加減によってフラジオとそうでない押さえ方、二種類あるみたいです。そんなん、バヨより難しいやん!!😱

 

 そして、片付けるときは弦を緩めて駒と当て布を外す。弓ももちろん弦から抜きます。つまり、バヨよりもさらに、始める&片付ける作業が大変ってことだ……。チューニングも毎回、一からやらなきゃいけないなんて……。

 

 そのチューニングですが、上に書いたように基本はD4-A4のようですが、最初のダニーボーイ(ロンドンデリー・エア)の演奏はそれよりだいぶ低いです。調べたら、低音二胡というのもあるようで、大きさによって「中胡」とか「二泉二胡」とか、もっと大きい「大胡」というのも以前はあったけど需要がなくて絶滅種だとか……。

 この大胡というのは、チューニングがG3-D4、バヨの低い2本と同じになるみたいです。見た目は、胴体が普通の二胡よりやや大きく、弦も太い? でも動画の映像や不鮮明な写真では、私では区別つかないかも。

 ヤンシンシンのダニーボーイは、曲の最初の音、たぶんですが(間違ってたら指摘いただけると嬉しいです)ド♯(C4♯)から始まってる気がする。ということは最低音はシ(B3)になるので、調弦を変えてるのかなあ? それとも中胡か大胡を使ってるのか? その辺はよくわかりません。

 

 最後にもう一本、ヤンシンシンの演奏動画を貼っておきます。バッハ=グノーのアヴェ・マリア


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 バイオリンはもっとも人の声に近い楽器と言われるそうですが、中国のバイオリンと言われる二胡も、そうとう人の声に近い……と、この人の演奏聞いてると実感しますね。

 

 さて、二胡を入手するかどうか……ですが、こぉぉぉんなすごい音が出るならぜひ!と言いたいところではあるけれど、この人はたぶんトップレベル奏者のひとりで、私ごときが片手間にやってこんな音が出るわけじゃなし、ましてや先生も教室もメインテナンスしてくれるお店もないメキシコの片田舎で……となると、論外w ここはおとなしく(???)バヨに専念するほうがまだしもでしょう😁

 はぁ~~~、でも世界にはこんなに美しい音楽が、まだまだいくらでもあるんだろうなあ……😍