気まぐれエッセイ@メキシコ

不定期に適当な文章をつづっていきます(現在バヨ中心)

なかなか進まない『チャンポトン』

 火曜日はオケ練習がお休みになったので、一週間ぶりのオケに行きました。階段の下にエドゥアルドくん(セカンドバヨの眼鏡男子)が座ってて、挨拶して上がっていったら、彼もあとからついてきました。先生の部屋、いつも外から、授業してるかなと耳を澄ませるんですが、何も聞こえない。エドゥアルドくんがドアを開けてみたら、A子ちゃんがぽつんと座ってました。私たちも入って、いつもの席に座って、準備して、でも先生来ないねえ。A子ちゃんはスマホいじってるし、エドくんは私の斜め前に座るので、おしゃべりするにはちょっと難しい。

 しかしシーンとしてるのも気まずいので、しばらく待ってから、今日練習あるんだよねえ? と言ってみたら、A子ちゃんが、先生、今会議中みたいです、と教えてくれました。そうなんか、じゃあちょっと遅れるな。火曜日はなんで練習なかったの?と訊いてみたら、アナレリス先生、コンサートがあったんです、とまたA子ちゃん。そうだったのか。そういえば合唱団の指揮もしてるとか、前に言ってたなー。

 でもそこで会話は途切れて、またまたシーン。そのうちフルート男子も到着、私の後ろに座りますが、これまたスマホいじってるし。ビオラのケリーさんも到着、でもスマホ。最後に次子ちゃんが来て、そのあとすぐにやっと先生も到着です。6時半からのはずが、15分か20分近く遅れてたかな。ま、メキシコならこのくらい遅れたうちに入らないけどw 

 先生、それでも謝罪して、はじめましょうか、と言ったけど、まずは皆さんの楽器の調弦から。どうして待ってるあいだにしておかなかったの~、と文句を言いながら調弦して回る先生。これ、私の楽器は直前に家で練習して合わせてるし、そもそもそんなに狂わないんだけど、他のみんなのはどうしてそんなに狂うんだろうか? だいたい全員、四つともにアジャスターをつけてるので、チューナーアプリとかで簡単に合わせられると思うんだがな……。先生も、やってあげちゃうからみんな習慣になってる感じ? 

 

 で、始めましたが、メンバーはこれだけ。ファーストバヨふたり、セカンドバヨふたり、フルートとビオラ各一名。バランスはいいけど、人数少なすぎ~!

『チャンポトン』、私は朝のレッスンで中盤の難しかったところを少し見てもらって、午後に練習してマシになったかな? そしてざっとだけど最後までいちおう弾けるように仕上げてました。前回も前々回も、最初から始めて2ページ目の頭くらいまで行ったから、今日はその続きで中盤から、最後までは無理かもだけど、と思ってたんですが。

 先生、じゃあ『チャンポトン』ね、こないだは18小節くらいまでやったっけね? とおっしゃる……。え~……、43小節目くらいまで行きましたけど。でも先生としては、出来てると言えないレベルだったのかもなあ(私も、出来てると胸張って言える状態ではない)、と思って言うのを控えました。

『チャンポトン』は、曲の構成として、ABCD AEFE GHIEJとなってます。全部で13のパートで、繰り返し(多少のバリエーションはあるけど)をひとつと数えても10パート。しかもどのパートもかなりリズムやメロディが違ってて、切り替えが大変。先生が言った18小節目まではこの分割方法でAパートのみです。つまり13分の1。

 しかもフラット三つと臨時記号もあちこちについているので、ファーストバヨすら、先生にちょこちょこ音程直されてる(フラット見落としとか。でも言われたらすぐ修正できるところがさすがファースト)。フルートも音程とリズム修正がけっこう頻繁に入る。ビオラのケリーさんに至っては、まるっきり譜を読んできてなかったようで、音を探り探り。う~ん、これは先生にも生徒にも厳しいなあ……💦

 セカンドバヨは、まあそもそも譜が簡単ってこともあり(やったDパート辺りまでは)、私は予習してたので、たまに間違えたり、え、どこから始めるの?って迷って入り損ねたりはありましたが(そうするとエドくんひとりで弾かせてすまん! でもすぐ入ったから許して)、全体に何となくは弾けてるし、エドくんは部分的に譜が読めなくて弾けないで止まっちゃってるところもありましたが、半分くらいは弾けてたと思う。

 そんな感じで、なかなか先に進みませんでした。結局今回も、また同じ2ページ目の頭あたりまで。先生、こないだから何度も言ってるけど、予習してきてね!!!! コンサートまであと3週間なのよ!!!(いや、4週間ちょっとあるけど、たぶん最後の一週間くらいは他の楽器の先生たちも入って本格的な仕上げに取り掛かるんだろうな)と最後に叫んでました。うんうん、でもね、この場にいない生徒たちが半分くらいいるわけで、その子たちが次に来たら、また同じことだよね……。

 とはいえ、いちばん難しいのがこの『チャンポトン』で、あと何曲か追加あるけど、それはプロの先生たちがメインで、私たちは簡単な伴奏だけだから、とのことで、一安心です。

 

 そうそう、今回ひとつ謎が解けたことがあって、練習中に先生がたまに「じゃあダ・カーポで」と言うことがあったんです。ダ・カーポって反復記号のひとつだったよな、でも楽譜にそんなんないし、え、どこどこ?とか焦ってたんですが、今回、それが曲の冒頭からって意味と判明。そうか、ダ・カーポって「曲の最初に戻る」だったな、と思い出しました。でも「戻る」のイメージが強くて……w 言葉の意味だけで言うと「頭から」になるんかな。音楽用語、難しい……。

 

 練習終了してから、コンサート終わってからの予定とか先生が言ってましたが、私は関係ないのでスルー。でもなんか、12月にこのオケの生徒たちから二人選ばれてなんかイベントに参加とかあるらしいです。ま、そういうのは部外参加の私には(たとえメキシコにいるとしても)関係ないんでしょうけど。

 終わってみんなぞろぞろと教室を出て、大学の門に向かって歩いてたら、次子ちゃんが声をかけてきました。「そのバヨ、どこで買ったんですか?」って。スズちゃんのこと? これは日本で買ったんだよ~。日本のほうがオプション多いしね、メキシコの、しかもこの田舎町じゃバヨ売ってないもんね。次子ちゃんも、今のバヨ(真っ黒に塗られたオシャレな楽器ですが)にちょっと不満があって、特に弓がもう反りがなくなっちゃってほぼまっすぐで、と言う。そうか、次子ちゃんの弓は気付いてなかったけど、今日はお休みのサードのイツェルちゃんの弓なんて、バロック弓ですか?ってくらい、反対向きに弓なりになっちゃってるの、気になってました。イツェルちゃんはまだまだ初心者だから気にならないのかもだけど(初心者だからこそちゃんとしたの使ったほうがいいとは思うけど)、次子ちゃんはけっこうな経験者だから、弾きにくいとか感じるんだろうなあ。

 で、そういえば私がカール君買ったときついてきた弓、一回も使わずに置いてるなあと思い出し、そういう弓あるんだけど、使ってみる? 今度持ってくわ、と約束しました。それも大した弓じゃないけど、使い古してたぶん毛が伸び切っちゃってる弓よりはマシじゃないかな。次子ちゃんの弓も、毛を張り替えたらまた使えるのかもだけど、その張り替えをしてくれるところが近場にないからねえ。

 

 弓の反りについて、詳しい説明のサイトがありました。

https://www.sasakivn.com/werkstatt/report/bogenstangetyupe.html

 

 画像をお借りしますが、イツェルちゃんの弓はこのAの状態、次子ちゃんのはたぶんBになってるんだと思う。他の生徒たちの弓も多かれ少なかれこんな(マシなやつでもB)状態です。

 そもそも練習のあとで弦とか楽器の松脂をいちいち拭き取ってるの、私くらいです。昔2,3回だけレッスンを受けた、カンペチェの先生も、楽器の手入れしてなくて松脂で真っ白でした。グレーテル先生の楽器はそんなことはないけど、でも弾いたあとに手入れしないでそのまま片付けることも多い。私ってかなり神経質な人に見えてるかもw もしくは楽器がものすごい上等と思われてるか?w まあ生徒たちが使ってるのよりはいいやつですが、それでも日本の水準で言ったら初心者向けの安い楽器なんですけどね(お買い得だったとは思ってますが)。

 ともかく、今度次子ちゃんに新しい弓を使ってもらおうと思います。気に入ったら、安くお譲りするつもり。そのうちカール君も手放していい状況になったら、それも次子ちゃんが欲しければ売ってもいいかな。

 オトナになってから楽器をやる利点は、道具にお金をかけられるところですねw 上達は若い人より遅いとしても、そこをお金かけていい道具で(ある程度)カバーできるなと。でも、こういう生徒たちを見てると、いい楽器持たせてあげたいなあと思ってしまう……。楽器の扱いとかも、もっと先生たちがきちんと教えればいいのに、でもたぶん先生たち自身も(日本で情報が出回っているほどには)そういうの知らないでやってきてるのかな。

 ま、とにかく私のできる範囲で貢献を、ということで次子ちゃんに弓を持っていこうと思います。たぶんそのとき名前も訊けるかとw