気まぐれエッセイ@メキシコ

不定期に適当な文章をつづっていきます(現在バヨ中心)

オケの4曲目と、クラウディオ・アッバード

 火曜朝のレッスンで、先生から、何か新しいのやる?と言われて、いろいろ考えてたけど、その日の夕方のオケに行くと、新しい楽譜を配られました。これもダンソン(舞踏音楽の一種)で、チャンポトンというタイトル。チャンポトンは、私が住んでる町から州都のカンペチェに行く途中にある小さな漁村です。

 写したかったのはペリカンだけど、船に名前書いてあるからアップしますw

 

 港の夕暮れ。

 

 音楽は、こんな感じ。


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 これはマリアッチの演奏で、途中えらいテンポ速くなってますが、こんなふうに演奏するんかなあ?

 

 しかし楽譜を見て、愕然。まず、3ページもある! 家に帰ってじっくり見たら、繰り返し部分も反復記号を使わずに全部書き起こしてあるからこの長さですが、でも繰り返し部分はそんなに多くないので、やっぱり大変。譜面台に3枚並べて置くだけでも難しくて(他の皆さんは器用に置いてましたが)、練習中に私は、ペンのキャップ落とすわ、ペン自体を落とすわ、楽譜バサバサ落とすわ、しまいには折り畳み式譜面台では書き込みできないからとわざわざ買って使っていたクリップボード*1を派手に落としてしまい、先生が「バヨ落としたのかと思って心臓止まったわ~」と……すみませんすみません。

 そして新曲、フラットが三つもついてる~!😱 こんなん、やったことないよ! 他の皆さんは、いつものように楽譜見ながらバヨをウクレレ式に構えて、ポロポロと弾いて音を確かめてるけど、私はそんなことしても覚えられないのわかってるので、まずフラットついてるのがシとミとラ、と確認。楽譜(これがまた低質なコピーであちこちかすれてるし、音符が小っちゃくて老眼にはきつい……老眼鏡持ってくればよかった、けど、譜面台の距離が微妙だから役に立たないかもね)でこの三つの音をピックアップしてマーク付けていくのが最優先!

 それでも最後まで行きつかないうちに、みんなそろって*2、先生が始めてしまった。じゃあまずこの調(ミ♭長調、正式には変ホ長調)のスケールからやりましょうか、と言われたけど、そもそもどこから始めてるのかもわからず……。斜め前に座ってるユリディアさんの指を見てどうにかついていく。一回通して、先生が「わかった?」とみんなを見回すので、ぶんぶんと無言で首振る私w じゃあもう一度、それからE線でサードポジまでね、で、さらに混乱。

 これはいかん、と思って、先生無視で、楽譜の隅の空いてるところに図解を必死に書き込む私。先生もたぶんそれ見て、まずはファーストバヨとフルートで、と時間稼いでくれました、ありがとう~! しかし何これ、私の苦手な、開放弦から半音の人差し指がずらり、4つ! そしてラとミの開放弦はフラットつくので使えないし!

 いずれちゃんとした図を作りたいと思いますが、今は楽譜に(改めて)書き込んだ手書きの図で。

   

 ファーストポジしか書いてませんが、サードまで使うのはファーストバヨだけのようで、セカンドはファーストポジだけで足ります。よかった~!

 このあんちょこ(死語?)で、どうにかこうにか弾けるようになった(それでもわかんなくて落ちるとこ多々あり)。とにかく4の指(小指)を酷使するよ、この調は……。

 そもそも、4年近くも習ってて、スケールとかほとんどやってないってどうよ? と思わんでもない。たぶん日本のバヨ教室だとスケールとかアルペジオ順番に習うものだと思うんですが、グレーテル先生はそういうのやらない派? 音楽理論を習う生徒なら自然とそこらも組み込まれるのかもですが、私は理屈だけはわかってるので、弾くべき楽譜の記号を見て、その都度こうやって指の位置確認して、チューナーで音取って練習しちゃうから、グレーテル先生、スケールとかいらないと思ってるんかしらん? 今までやった曲を見ても、シャープは1個2個3個かろうじて網羅しましたが、フラットは1個と2個がマッケイのポジチェン小曲で各1曲ずつあっただけで、ごくごく短いもの。そして気付いたけど、今やってる4曲、すべてハ長調だw まあ臨時記号は(特にノクターン)死ぬほど出てきてますけどね。

 

 というわけで、またまた初見で、しかもけっこうややこしいのを90分。こうなるともう、他のパートが弾いてるあいだも観察したりなんて余裕ないです。ひたすら楽譜を読んで、指を確認して、リズム取って……。セカンドバヨの順番が来たら、もう必死。

 何とか乗り切って、今朝、グレーテル先生にメッセージ送りました。オケでもらった新しい曲でもうあっぷあっぷなので、これ以上は無理です……wって。しかも家でよく見てたら、オケの練習では2ページ目の3段あたりまでしか行かなかったんですが、2ページ後半に、何これ、重音の嵐!!!😱 グレーテル先生も前に重音やろうかとか、チラッと言ってたし、こういうのあるんで、重音とか教えてもらえたら助かります~、って追加で書いたら、「オケだと重音は分割すること多いけどね」との返事。で、楽譜をよ~~~く見ると、あ、ホントだ。

 下の、82小節目にunis.ってあって、これはユニゾン? ここからすべての楽器が同じ音を演奏するってことかなあ? とか思ってたんですが。その前の74小節目のdiv.には気付いてなかったw そうかそうか、そういうことか! セカンドバヨの半分が上を弾いて、残り半分が下を弾いて、ユニゾンのところで全員が同じになるってことか!

 まあ……セカンドバヨって、3,4人しかいませんけどね。全員集まっても(マリオくんが来てくれて)5人w 下手すると、私ひとりで下を弾くとかいうことにもなりかねないかw でも確かにこれ、家でじっくり見てみたら、隣り合った弦じゃない重音もけっこうあるので、ひとりで弾くのは無理。オケならではの(かつパート人数が多い楽器の)特殊事情ですね。

 

 というわけで、昨日は疲れてさっさと寝ちゃったので、今日は朝からMusescoreで楽譜を書き写して、分析して、指を確認して音を取って、午後にはざっと弾いてみました。でも、実際の演奏速度の、たぶん半分以下。しかもたびたびつっかえるし止まるし間違えるし😫😫😫 明日の夕方までに、どれだけできるのやら、わかりませんが、できるとこまでやるしかないですね。

 しかしだんだん、いきなり楽譜もらって初見で練習始めるときの対処法がわかってきた気がします。まず調を確認して、運指図を描く!*3 それからシャープやフラットが付いてるところをチェックして、恥も外聞もなく楽譜に書き込んでいく! 

 次からは、迷ったり悩んだりせず、この方法でやってみようと思います。

 

 ところで、オケ終わってみんなが帰ってから、ダンソン「夕暮れ」のボウイングについて質問したかったので、楽譜持って先生のところに行って、疑問の箇所を確認。うん、これですっきりした! 

 そのあと先生が雑談っぽく、「弓の向きで音色も変わってくるから、どっち向きに弾くかはすごく重要なのよね~。弓の向きを変えるだけで音楽ががらっと変わるから」と言い出し、まあそうだろな、と思いつつも、へえ~そうなんですね、と返事したら、「クラウディオ・アッバード*4に習ったのよね~」と先生。

 ……はい!? 

 アッバードと面識あるんですか? と訊いたら、「そうなのよ~」とアナレリス先生。いつ、どこで!? で、アナレリス先生、微に入り細を穿って説明してくれましたが、端折って言うと、メキシコに来る前、キューバでユースオケを指導してて、でも半年の予定でメキシコに滞在してるときにアッバードがキューバに来て、アナレリス先生のオケともう一つのオケを合同で指揮したんだとか。で、こっちのオケの指導者はどこにいるんだ? メキシコ? 呼び戻せ!と鶴の一声でキューバに戻ったアナレリス先生。そこにはグスタボ・ドゥダメル*5なんかもいたりして、みんなでわいわいと練習して、アッバードはもちろん厳しい指導もして、そのときに、アナレリス先生は気に入られていろいろおしゃべりもし、オケの練習で教わったことも多い、という話でした。

 ひゃあ~~~、音楽の世界って意外と狭いのかもね。それとは規模がまったく違うけど、そんな話を聞きながら部屋を出て先生と別れて、ダンナが待ってる車に乗りこんだら、「今、そこにマルティンがいた。タクシーに乗って行っちゃった」とダンナ。マルティンって数人知ってるけど、どのマルティンよ? と訊いたら、私がその昔、文化会館で最初にバヨを習ったフルーティストのマルティンだそうで。え、もしかして大学にいたのかな? 声かけて、送ってくって言えばよかったのに。ダンナもそうしようかと思ったんだけど、女性と一緒だったのと、すぐにタクシー来て乗っちゃったので、声かける間がなかったらしい。

 マルティン、同じ町に住んでるので、5年とか10年にいっぺんくらい街中でばったり会ったりしますが、ダンナは半年くらい前だったかな?に会ったと言ってたけど、私はたぶんもう10年くらい会ってません。でもこないだ、Facebookの大学アカウントで、イベントの写真がアップされてて、そこにマルティンが写ってたので(フルート演奏したらしい)、そのうちどこかでばったり会う可能性は高いかな。私が再びバヨをやって、しかもけっこう続いててオケやってるって知ったら喜んでくれると思います。

 

 さて、長々と書いてしまいましたが、こんなブログ書いてる場合かッ!? 明日のオケ練習までに、楽譜とにかくできるだけ読んで弾けるようになっておかねばならんというのに……w でもアッバードの話は書いておく価値あり、のはず。

 というわけで、今日はこれで👋👋👋

 

【追記】木曜は朝からぼちぼち練習始めて、夕方までにどれだけ弾けるようになるんかなあ……😓 と思っていたら、昼ごろにオケの先生からメッセージで、今日は大学で殺虫剤撒くので(雨期に入って蚊が増えてるので)オケの練習はなし、とのこと。がっかり&ばんざいw 火曜日までならだいぶ余裕あります。

 ま、明日(金)はまた隣町の病院で面談予定で出かけるので、練習はあんまり(ぜんぜん?)できないかもだけど。その分今日やっとくか~。

 楽譜3ページ、ばさばさ落ちたら困るから、どうしたらいいんかなこれ、とネットで調べて、厚紙に貼りつけるという方法を読んだので、やってみました。

 うん、これなら大丈夫かな👍

*1:って名前でいいんだよな?と検索したら、今はこれコンピュータ用語になってるらしい。Wikiによると、物理的なクリップボードはこちら「用箋挟(ようせんばさみ)は、端にばね仕掛け等のクリップを備えた硬い板状の文房具。主にクリップに紙類を挟みこんだ状態で、その紙に筆記するための下敷きとして使用される。紙挟み、ペーパーホルダー、クリップボード、板っパチ、バインダーとも呼ばれる。」とのこと。昭和な私としては、「回覧板に使うアレ」というのが一番わかりやすい気もw

*2:今回は黒バヨ男子とチェロお兄さんが再び参加! ファーストは黒バヨ男子とA子さんとお化粧さんとメリッサちゃんの4人で、次子ちゃんは朝のレッスンにも来てなくてどうしたのかなあ。セカンドはカイラちゃんがまたお休みでこれまたどうしちゃったのか……。前列のエドゥアルドくんとユリディアさん、私は後ろにひとり。ビオラのケリーさんがついにお休みで、皆勤賞は誰ももらえなくなった……。サードバヨの子もお休み。フルート男子は来てたので、全部で9人

*3:もしくは、マジであんちょこ、カードで一通り作っておいて、楽譜渡されたらそれに対応するのを出すって手もあるかもw

*4:世界的に有名な指揮者。私にとっては大好きなオペラをいくつもCD録音していて、どれも擦り切れるほど(CDだから擦り切れないけどw)聞いたものばかりの、とんでもない大物指揮者です

*5:こちらは私は名前を聞いたことあるな、くらいしか知らない、わりと最近の指揮者だけど、ベネズエラ出身の若手で、けっこう有名みたい