気まぐれエッセイ@メキシコ

不定期に適当な文章をつづっていきます(現在バヨ中心)

圧力、脱力、重力

 今日はメーデーで学校や会社はお休み。レッスンはどうなるかな……と心配して先生にお伺いしたら、休みだから自宅でやりましょ、とのことで、時間はいつもどおり、朝の8時半から。

 行ってみたら、家じゅうまだシーンとして静まり返ってて、先生、ドアの開け閉めも気を付けて静かにやってる。あれ、まだ皆さん寝てますか?と訊いたら、昨日(4月30日、しかも今年は日曜)が子供の日だったから、イベントとかあって、娘ちゃんがまだぐっすりだそうで。ええ~、じゃあバヨなんか弾いたら起きちゃうんじゃ?って言ったんだけど(いつもの時間って言ってきたのは先生だったが)、それは大丈夫、って。そ、そうなの~? 言ってくれればもっと遅い時間でもよかったのに……と思いましたが、もう来ちゃったし、先生も娘ちゃんが寝てるあいだのほうがレッスンしやすいのかな。まあ8時半って言ったときは、イベントの翌朝とかあんまり考えてなかったんだろうなw

 最初ちょっと、ホントにいいんかいな、と遠慮がちに音出しましたが、やり始めると気にならなくなっちゃう私、がんがん弾いてましたね。でも娘ちゃんが起きてくることはなかったです(二階で目が覚めちゃってた可能性はあり)。

 

 今日はスケールから。クロイツェル2番に使ってるボウイングを全部まずはスケールでやりましょうと言われて、デタシェ、スラー、マルテレ(スタッカート)、シュポアヴィオッティ(これは番外)、ソティエと。

 で、スタッカートだったかソティエだったかのときに、右腕の形を修正されました。G線のときに私は右腕が上がり切ってなくて、そのせいで弓がD線に触っちゃうことがあるので、もっと上げるように今まで何度も言われてたんですが(そして練習もしてるんだけど、他のことに気を取られると、ってやつで)、今日は肘を上げるんじゃなくて(考えたら確かに先生、そういう表現はしてなかった、「脇を開ける」と言ってた)、手首を山なりに持ち上げて、肘は落とす、と。

 先生が私の肘を下から支えてくれて、脱力して、と。前にもこれやってもらったことあるんですが、そのときはうまく脱力できず、苦労しました。今日は、すとんと力抜いて先生の掌に肘を預けることができたので、前よりはマシ?w 

 そうすると、肩と肘の力が抜けて、腕が重力によって自然に下がり、弓に腕の重みがかかります。先生が手を放しても、肘がそれ以上落ちない程度の力は入ってますけどね。あと、家で練習するとき気付いたんですが、手首をしっかり持ち上げると、肘や肩の力が抜けます。

 その状態で、さらに弓に傾きをつけて(毛の面をべったりでなく45度くらい斜めに)、右手の指をしっかり弓の向こう側に回す感じで持つ。ふむふむ。

 という格好になったところで、これでスタッカートも弾いてね、じゃあエチュードやろうか、と先生。え、ちょっと待ってちょっと待って! この格好してからまだ1ミリも音出してないし! 何なら今日のレッスンはこれ一点にすべての時間を使ってくれてもいいくらい重要事項じゃね??? で、そこから強引に音出ししました。

 スタッカートは、弓を押しつけるんじゃない、というのも言われてました。帰宅してから、ネットで(日本語で)スタッカートについて検索してみましたが、かなりのところで「圧力をかける」という表現してありますね。でもそれは、力で弓を弦に押しつけることではない、というのが素人にはわかりにくいかなあ。私も、以前にスタッカート習ったときにそれは言われてたはずなんですが、しばらくやってなかったら忘れる……。で、今回もギーギーと押しつけてた気がします。

 そういえば練習してるとき、クロイツェル2番をスタッカートで通して弾くと、特に左肩が痛くなってました。なぜかと考えるに、右手で弓を力入れて押しつける→左も力入る、というふうになっていたんじゃないかと。それは自分でも気付いていたので、直さなきゃと思ってはいたんですけどね。そもそも右手に力入れるのが間違いか……。

 これも、今までさんざん言われてきたこと、「右手で圧力をかける」というのは「腕の重みを弓に載せて、人差し指のひねりによって圧をかける」ことである、というの。以前は、そう言われてもわかったようなわからんような、という感じでしたが、今は前よりは実感としてわかるような気がしてきてます。

 

 レッスンでは、先生、私が強引にその格好での音出しをしたので、もう少し付き合ってくれましたが、早く次行きたいって感じが見え見えだったのでw、クロイツェル2番と4番とエルフの踊り、今日は基礎練含めてすべてやりました。

 クロイツェル2番は、今日は新しいバリエーションとして8音スタッカート。クロイツェル4番の応用(というか基礎)として、弓の上半分だけを使ってです。が、いきなり初めてのことをやると、すぐ頭ぐちゃぐちゃになる私……。4音スラーのときも最初は苦労しました。弓を返すところ間違えるんですよね。

 昔むかし、大昔、まだ今の先生に習ってなかったころ、アウアーの教科書にあった練習で、2音スラーだったかな、やってたことあるんですが、そのころは、音が下がると弓もダウン、音が上がると弓も勝手にアップ、となってしまってて、そうじゃないところを楽譜どおりに弾けなくて苦労してました。

 それと同じことが未だに、たまにですが起こります。クロイツェルで8音スラーやってても、メロディがアップからダウンに切り替わるところで弓を返してしまう。もしくは、もう弾きなれた4音スラーで4音の区切りのところで返しちゃう。これはまたじっくり練習しないと、スムーズに弾けませんw 宿題です。

 

 今日もうひとつ注意された大事なことは、右の小指を丸めるタイミング。これはずいぶん前に習ったときに、弓をアップで弾いて音(弓)の終わりまで来たときにはまだ小指伸ばしたままでいい(ダウンで弾き始める瞬間に丸める)、と教わったはずなんですが(そのころはそれで許されるレベルだったのかも、もしくはオンラインレッスンのころだったので、私の質問がちゃんと通じてなかった可能性も)、今日は、音の最後に弓元に来たときすでに小指が丸まった状態になってるように、と指導されました。そうなのか……。

 デタシェで途切れなく弾いてるときは、弓の返しのところも滑らかに動かすので特に問題にならなかったんだと思いますが、スタッカートだと、その都度止まるので、小指伸ばしたままなのが明らかです。

 でもこれは、言われてやってみるとそんなに問題なくできるので、あとは無意識に常にできるようになるだけ(←これが問題なんだがなッ!)。

 こういう細部のコツが、ボウイングコントロールを左右するってことも、最近体感としてわかってきました。ちょっとした弓の角度、圧力の微細な加減、力の入れ方抜き方、そういうので音色*1が本当に敏感に変わってくることも、プロが弾く楽器としてのバイオリンに関しては知ってましたが、自分の弾いてるバヨもそうだというのは最近ようやく実感できるようになりました。もちろん、私ができる範囲というのはプロの1万分の1、100万分の1くらいですがねw

 

 どんな楽器も、極めれば奥は深くてどこまで行っても突き当りなどないものだろうと思いますが、これだけ自力でさまざまな音色を生み出せる楽器というのはやはり少ないのでは?*2

 日本の大学時代の友人が、私より少し遅れてバヨを始めたんですが、彼女は子供のころにピアノをやっていて絶対音感があり、すげえ羨ましいアドバンテージです。その彼女から最近聞いた話なのですが、子供のころはピアノがタッチで音色を変えることができる楽器だとは知らなかったそうです。当時の先生が、機械的な演奏のみに重点を置くタイプの人だったのかも、とのことですが、だから彼女もピアノが楽しいとかではなく、運動をするような感じで弾いていたと。

 ピアノのことは私はわかりませんが、確かに猫が踏んでも音が出ると言われるし(うちのもたまに猫たちが勝手に電源入れて弾いてるw)、キーさえ間違えなければ誰が弾いてもほぼ同じ音が出る、という意味では、そんな感じになる人も多いんかもなあと思います。微細なタッチの差で音色を変えるというのは、ピアノの場合かなり上級技?

 そう考えると、最初から自分で音作りをしていかねばならないバヨは、だからこそ大変な部分もありますが(特に聞かされる周囲の人?w)、ある意味自由課題の工作みたいで楽しいってことでもあります。

 

 何ぐじゃぐじゃ言うとるん? 脱力なんて、簡単なことやん~、とネネ。はいはい、君らはいつも脱力自由自在だもんね!? 見習います!!

*1:これ、私はずっと「ねいろ」と読んでましたし、今もたいていそう読むんですが、バイオリニストの先生たちの動画など見ていると、「おんしょく」と発音する人がけっこう多いですね。意味としては同じなのか、「ねいろ」と「おんしょく」でプロにとっては違うものを指すのか、その辺はよくわかりません。こればっかりはキューバ人の先生に訊くわけにもいかないしw

*2:もちろん、もっとレベルが上がれば、私の持ってるようなバヨでは対応できない部分も多く出てくるのでしょうが、私はまだまだそんなところまで到達してません