気まぐれエッセイ@メキシコ

不定期に適当な文章をつづっていきます(現在バヨ中心)

マックスが来なかったワケ と ピアノチェロリュート参加

 木曜のオケに行きました。先生の部屋からは音楽が聞こえるから、またメリッサちゃんのレッスンかな?と耳を澄ませましたが、バッハじゃない……。ドアが少し開いてたので、隙間から覗くとケリーさん!? しかも立って演奏してる? とりあえず廊下で待っていると、おじさんが来て中に入る。さらに少し待ってると、女の人が来て先生と廊下でお話。私を見た先生、中で待ってていいよ~、と言ってくれました。外は暑いから助かります。

 入ってみると、ケリーさん(ビオラ)だけでなく、シトラリさん(バヨ)とさっきのおじさん(チェロ)でトリオやってました。あー、そういえばなんか前に、オケのあとでそんな話してたねえ。私は座って音を立てないよう譜面台と楽器を用意しながら、聞かせてもらいました。ヴィヴァルディの何かだったらしい。う~ん、自分は弾かずに、人の演奏聞くのって楽しいな♪ 音外れてるとかも、人のだとよくわかるんだよねえ😅

 6時半はけっこう過ぎてましたが、納得いくまで仕上げる先生。そのあいだにメリッサちゃんも来て、ちょうど終わるころにマックスも来ました! アナレリス先生となんか話してて、Puente(橋?)が壊れてどうの、とか言ってる。そのあと私の隣に来て、楽器取り出すより前に私に、何やら話し始めました。が、周りに人がいるのでざわついてるし、マックスはそもそもが不明瞭な話し方する子で、しかも声を潜めて話すのでよく聞こえない。耳を寄せて聞いてると、どうやら妹が私の貸したカールくんを壊しちゃったらしい……。Puenteはバヨの駒のことでした。それが割れてしまったとか。

 あちゃ~、それは困ったねえ、駒だけなの? と訊くと、魂柱*1も倒れた、と言う。う~~ん、それは専門の工房に持っていかないと無理だねえ。マックスは、何とか駒を手に入れて直してもらう、とかぼそぼそ言ってましたが、いやそれ無理やろ。この町ではできる人いないと思うよ?

 私とダンナも当分(たぶん10月まで)工房のある隣町に行く予定はないんですが、マックスよりは可能性あるよね。それで、オケが終わったあとマックスをダンナの車で家まで送っていって、カールくん受け取ってきました。車のなかでもう一度詳しく聞いたら、家で練習してて、お父さんがちょっと手を貸してくれと言うのでバヨを椅子に置いてそこを離れたんだそうです。そしたら妹が椅子に座ろうとして、置いてあったバヨを邪魔ッ!と思ったんでしょうかね、床に放り出してしまったと。妹って何歳? と訊くと、2歳だって。うん、そりゃ置きっぱなしにしたあんたが悪いw とは言いませんでしたが(たぶん本人もわかってるよね)、うちにも猫が7匹いるからねえ、バヨを置いて離れるときは万が一って心配あるからケースに入れるようにしてるよ(実は嘘w うちの猫たちはまずそんなことしません。でもやるかもしれないから、できるだけ目は離さない、離れるときは部屋のドア閉める(クーラーかけてるからどっちにしろ閉めますが)などはしてます)と話しました。

 前にカールくんを貸したときは、家の近くまでは行ったけど、マックスがここでいいと言って下りて歩いて行ったので、家がどこかまでは知りませんでした。今回は家の前まで行って、マックスが家に入るのを待ち、カールくんを持って出てくるまでに、ドアから小さい女の子が覗いてました。あ~、犯人あの子だな🤣 小っちゃくてめちゃかわいかったです。うんうん、これは怒れないわw

 返してもらったカールくん、チェックしてみたところ、駒が見事に割れてました。でも本体にはひびとかないようで、これなら問題なし。駒と魂柱をセッティングしてもらえば、また元通りです。

 指板の上に置いてるのが魂柱です。駒は真っ二つ。弦はかなりきっちり張ってありました。

 それいつの話?と車のなかで訊いたら、一ヶ月ほど前とのこと*2。あ~、それで楽器ないからオケも来られなかったのね😆 今日は、前に使ってた大学からの貸し出し楽器をまた持ってきてました。まあそうするしかないよね……。

 カールくんを隣町に持っていくのだいぶ先になるかもだけど(ダンナが、グレーテル先生のいる町にも工房あるんじゃないか?と言ってました。うん、そっち行くほうが先かもね)、それまではしょうがないよね、大学の楽器使うよね、と言ったら、マックス、うんうんと言ってたので、行けるときに行くことにします。修理代はそんなにかからないと思います。そのあとまたマックスに貸すか……はちょっと考えようw まあそういう危険性はあるのわかってて貸してますし、今回は幸い致命傷じゃなかったし、マックスも今後は気を付けると思いますけどね……。

 

 さて、オケのほうですが、ファーストバヨにシトラリさんとメリッサちゃん、セカンドがマックスと私、ビオラのケリーさん、そしてチェロのおじさん、さらにピアノの先生(メリッサちゃんのお父さん)と、リュートの先生も加わりました。

 リュートは私の左に座ったので、楽譜を覗き見して、Laúdと書いてあったので、あ~リュートかぁ!とわかりましたが、ぱっと見、私が持ってるマンドリン(バンドリン)かと思いました。それより少し胴体が大きくて、弦は10本、2本ずつセットなので5弦です。マンドリンと同じ金属弦で、ピックで弾いて、音色もほぼ同じ。トレモロ奏法するところも同じ。

 で、オーソレミオのメロディを(合唱団とともに)担当するらしく、アナレリス先生から楽譜をもらって弾き始めたんですが……。この曲知らないのかな? 最初ぜんぜん楽譜読めなくて、2,3音弾いたら止まっちゃって、ええ……どうなるのこれ、と思いましたが、そこはやはり先生(?)、しばらく弾いてるとちゃんとメロディになってきました。

 マックスもオーソレミオは初見ですが、まあセカンドバヨはそんなに難しいとこないし。もう一人苦労してたのはピアノ。でもこちらもしばらく弾いてるうちに、何となくそれっぽくなってきました。

 いろんな楽器がそろって、曲らしくなってきて楽しいんですが、先生たち(チェロのおじさんはマックスによると先生じゃないらしいです、私みたいな部外参加者?)はなかなかに自己主張激しくて(メキシコ人って普通そうで、むしろ生徒たちの遠慮深さのほうが珍しいんだけど)、ピアノの先生は、ここんとここっちの和音のほうがいいよね、よく響くし、ここも、とか勝手にどんどん変えていっちゃう。リュートの先生は自分のパートがない曲でも、勝手に適当にビンビン弾いてるしw アナレリス先生が、じゃあ〇〇小節目から、って言ってるのに、頭から通してやりましょうよ~、とごねたのはチェロのおじさんw いやもう大変。カオス。

 ヨーロッパや日本では、オケの指揮者って神さまみたいな存在で、異議を唱えることはいっさいできない、らしいです(日本のバヨ先生の話ですが、ネットでもそういう話よく見ます)。軍隊みたいなそういうのが性に合わなくてやめた、と日本の先生は言ってました。うんうん、わかるわ~、って思ってたけど、メキシコのこれもちょっと……自由過ぎないか? いや、たぶんメキシコは軍隊もきっとこんな感じなんだろうな🤣 こりゃ、戦争もできないわけだわ🤣🤣🤣

 

 オーソレミオのあとはエルヴィスの「好きにならずにいられない」をやりましたが、ここでもリュートの先生が、「もう23年前から恋に落ちてるから今さら無理!」とか茶化し、子供が5人いるとかいう話で、先生たちが、自分の曾祖母は子供が何人で~、いや自分はおじおばが20何人いて~、とかで盛り上がっちゃう。いいけどね、トリオで押して20分くらい遅く始まってるんだし、もう少し練習しましょ???

 で、エルヴィス。私はマックスが右に座ってるし、この曲は弓をけっこう端から端まで使うんですが、スペースが足りなくて(弓じゃなくてw)、まだ音を伸ばしてなきゃいけないのに、弓が動かせない状態、ってのが何度もあり、弾きながら椅子をずいずいとずらしてスペース作りましたが、そうすると、左のリュートの先生に近付くことになり、弓先で先生の顔突っつかないか?と心配で……(先生の顔もだけど弓壊れたら泣く。弓って単純な構造ですが、お値段は楽器の半分、二桁万円ですから)。そこは先生のほうが(本来暇なはずなので)よけてくれてたみたいですけどね。

 

 そんな感じで、2曲やって、何時だったのか知りませんが、先生たちが、さ~今日はこれで終わり終わり!とその場を仕切る……。ん~、女性大統領が生まれたばかりの国で、アナレリス先生が女性だからってわけでもないと思いたいですが、もうちょっと敬意を……と思うのは間違い? 今度、日本ではねえ、って話をしてやろうかしらんw  でもそれはさすがに嫌味すぎるかなw まあアナレリス先生も、黙って負けてる女性ではないと思うので、これくらいは許容範囲なんかも……。

 これからもっともっとメンバーが増えていったら、どんだけカオスになるんだろうか……。オケの指揮者って、どこの国でも大変だろうと思うけど、メキシコは……うんうん、そうだった、こういう国だったねえ。何かを成し遂げようとするとストレスマックスなw コンサート本番、どうなりますか……。

 

 猫の上下関係もゆる~~~~い、というか無きに等しい。メキシコのオケもこんな感じ?

*1:スペイン語Alma=魂です。スペイン語でも魂なんだよね、英語ではサウンディングポスト、ドイツ語でもStimmstock=音の棒、で確かにそうなんだけど、ちょっと味気ない。ここは日本語とスペイン語に軍配

*2:考えたらダンナ、先週隣町の病院に行く用事あったんだから、もう少し早く言ってくれてたらそのとき一緒に持っていったのに……