今日は久し振りに、スズちゃんで対面レッスンでした。5月頭にレッスン再開したけど、オンラインで、スズちゃんを隣の工房に修理に出して代わりに買ってきたカール君でオンライン、対面、オンラインと3回レッスン受けて。今日やっとスズちゃんで対面。しかも新生スズちゃん。
駒と魂柱新しくなりました!と先生に報告したら、音はどう?と訊かれたので、このブログに書いたようなことを伝えて。そしたら魂柱見せて、と覗き込むので、割と後ろのほうですよね? と訊いたら、そうねえ、でも楽器によってはこのくらいのこともあるから、と。で、実際に弾いてみせたら、うん、よくなってる!とのこと。まあ先生もスズちゃんの音を生で聞くのは1年以上ぶりだし、先々週の対面レッスンではカール君だったしな。
そうそう、E線のチューブは、駒から外してみたらやっぱり音が段違いによくなったので、ブラブラのままにしてました。雑音になるから切っちゃっていいよ、と言われたので、今日帰ってから、恐る恐る切断。たぶん弦は無事。
レッスンはまず、コンチェルティーノの第1と第2楽章。ここで先週も話した強弱が話題に。
先生曰く、楽器が出せる最大音量は決まってるから、それをフォルテとして(フォルティッシモとかは今は考えないw)、それから最弱の音をピアノとして、そのあいだを分割して各音量に割り当てる。*1
うん、理屈はわかるんだけど、私の場合、最大音量と最小音量に大して差がない、ってことろがね……w でも練習するしかないか。
で、音を大きくするときに、人差し指で圧をかけるんだけど、「押さえないで! 押さえないで!」って言われる。ん??? 意味わからん。よく説明してもらうと、人差し指で圧力をかけるけど、私は親指とか腕とかにも力を入れてる。それ、ダメ。人差し指だけ。え~、それ難しくないっすか? とりあえず家で研究します、ってことで。
レッスン中にも、ワンボウで最初ピアノ(弱音)で、だんだん強くして、って言われてやってたら、先生、絶妙なところで「(圧かけるの)そこまで!」って言うんですよね。でも私は急に止まれないので、そこよりさらに圧をかける、と、とたんにギギギギって雑音が鳴る。一度じゃなく、毎回なので、先生の耳には雑音が出る微かな兆候がはっきり聞き取れてたりするんだろうなあ。なんかもう、昆虫とかコウモリとか、そういう人間とは別の生き物?って感じw
レッスンはあと、パガニーニの妖精の踊りと、いつも何度でもと(先生やっぱメヌエット3番は忘れてるなw)、そしてダンナが三週間ほど前から同じ先生にピアノを習い始めてるんだが(まさしく60の手習い😁)、こないだから、弾きたい曲があるとか生意気なこと言い出しちゃっててw 先生が、夫婦でデュエットですねと悪乗りw ダンナが先生に動画を送ったらしいんだが、私は知らんぞそんなんw あとで送ってもらったら、これでした。
オリジナルはディエゴ何とかって歌手が歌ってるらしいんだけどね。で、先生、このバヨパートを(簡略化して)楽譜に書き起こしてくれてて、え? これもやるんですか???w
これを6回か7回繰り返すだけ、と言われて、そんならまあ……。あとで動画見たら、そうでもないけどなw 先生が私向けにアレンジしてくれたのか。で、チェロは誰が弾くんだw
先生、メロディ(歌詞パート)もあるから、それをバヨで弾いてもいいけど~、とかおっしゃるけど、それ難しいですよね?で却下。歌はダンナがピアノ弾きながら歌いますw
というわけで課題曲がまた増えてしまった……。
しかし、どの曲であろうと、表情をつけるには強弱のテクニックは必須だよね。ちょっとまた脱線しますが、今読んでる本、これ。
昨晩読んでいた312ページに、こんな記述がありました。
時間はつねに新しい。新しくないものにはなりえない。音響事象の連続として聞く音楽は、すぐに退屈になるが、時間生起の現れとして聞く音楽は、決して退屈にならない。このパラドックスを最も強烈に示すのは、完全に熟知している作品を、今この瞬間につくられたものであるかのように演奏できるまでの高みに達した演奏家の偉業である。
ここだけ書き抜くとわかりにくいかもですが、要するに、いい音楽は何度聞いてもいいってこと。聞くたびに、同じ、でも初めて聞くような感動を感じるってこと。これ、ホントにあるある。音楽だけじゃなく、小説とかでも、何度でも繰り返し読める作品というのは、やはりそれだけの「高みに達した」作家の「偉業」であるわけで。
音楽で言えば、私の場合はメニューインのバヨや、マイスキーのチェロ、オペラでも、ハマったら起きてるあいだじゅう何度も何度も何度も、飽きずに繰り返し聞いてました。考えたら不思議なことだよねえ。どうして飽きないのだろう?
さて、演奏する側に我が身を置いてふと考えてみると……。まあ偉業を達成するような高望みはしてないw してないけど、練習で何百回何千回と同じ曲を聞かされるのは他ならぬ自分なわけで。まあ、目指すだけならやはりこれを目指すべきなんだろうなあ……。などとちょうど考えていたこともあり、そのためにはコレ👆 まず強弱付けることを学ばねば。
というわけで、今日の午後練は、ひたすら強弱の練習、というか研究。YouTubeでこんな動画があり。
このかた、目が見えないのかな。ちょうどこれまた、上に紹介したオリヴァーサックスの本でも、視覚障害のある人は音感がいい、という(100%そうだというわけではないけど)、体感としてそうだよな当然だよなと思えることを、この本では脳神経学的にいろいろな症例から、また音感がいいと一言で言っても千差万別であることなどが書かれてて、また面白いんですが。
ともかくこの動画。大きな音を出す5つの方法。ざっくりまとめると、
- 駒に近いところを弾く
- 弓を大きく動かす(=速く動かす)
- 人差し指で圧力をかける
- 腕の重さを弓にかける
- 足を大きめに開く(→体全体を大きく使って弾ける)
ということで、特に最後の一点は初耳で、明日やってみようと思います。で、3と4はまあ関連していて似たようなこととして、1と2と3、弾く場所、速度、圧、この三つは、それぞれの組み合わせできれいな音が出る場合とそうでない場合とがあり。
弦のこの辺りをこの速度で弾くときの最適な圧力はこれくらい、というのを体で覚えなくてはならない。それについては、先日見たこちらの動画。
エディ・チェンさん、台湾のバイオリニストらしいです。最近はもう一人のバイオリニストと二人で別のチャンネルで、いろんなバヨや音楽に関する動画をアップしてるかたですが、ここでは(ちょっと古い動画)単独で、ボウイング練習について解説。9つ紹介してますが、これもざっくりまとめると、
- ♩=60で4拍、開放弦を弾く。弓まっすぐ、音一定に。
- ワンボウで30~秒、ゆっくり弾く
- 速度変化、ワンボウでゆっくりから速く、速くからゆっくり、などなど
- マルテレ(10分くらいから実践、きれいに響くいい音出てます、参考になる)
- インとアウト、圧をかけて強弱をワンボウの中で付ける(前に紹介したクルガノフさんのウェーブ練習とほぼ同じ)
- ダウンで弾きながら右手の指を小指から順番に離していき、アップでまたつけていく(詳しくは動画参照)
- 駒と指板のあいだの弦を5等分し、それぞれの高さで弾く
- 7の5つのポイントを、弾きながら弓を滑らせてスネーク運動するボウイング
- 弓を軸回転
ということで、6番目までは何とかできそうかなと思ってたんですが、7番! 駒と指板のあいだを5つに分割とか、無理っしょ!! しかもそれをスネーク運動って!
と、これを見た数日前は思ってたんですけどね。今日は強弱練習(研究)でとにかく大きい音を出すことを考えたら、やっぱり駒寄りかッ!となり。5等分は無理としても、3等分なら何とか?
で、確かに駒寄りだと強い音が出て、指板寄りだと柔らかく弱い音が出る。そのときの圧と速度もいろいろ組み合わせを試して、大きい音、小さい音、中間の音。最初よりはバリエーション出来てきたかも?
それからもうひとつ、これに関連して考えてたことなんですが、私がよく先生から言われるのは、音をもっと遠くへ飛ばせということ。これ、普通に考えたら大きい音なら遠くへ届くと思うんで、私は頑張ってガリガリ力を入れて弾いてたわけですが、これが違うんじゃないかなと。
最近も言われたのは、音を手元に大事に丸め込まないで開放して、と。うん、そのためには何をどうしたらいいのかな?ってところを知りたいなと思ったりするわけですが、私の先生、ときどきこういう漠然とイメージ的なこと言うし、無茶ぶりすんなやーと思いつつも、そんな気持ちになって弾いてみると音がけっこう変わったりもするので、侮れないw
んで、プロの演奏を聞いてると、ピアノどころかピアニッシシモの消え入るような音でも、けっこう(心にも耳にも)突き刺さるように響いてくることってある。まあそういうのが「達成された偉業」なんだろうけどもさ。音の強弱と、音の遠近は別なんじゃないかと。
そこでとりあえずですね、今日の練習では、いつも向いてる壁際の本棚の手前に置いてる譜面台とスマホのチューナーに向かってではなく、部屋の反対側の、遠い壁に向かって弾いてみました。効果があったかどうかはわからないけど……w
当面はこの強弱練習をしながら、ダンナの課題曲やります。今日はもう一個小ネタも出すつもりだったんだけど、えらい長くなっちゃったんで、また今度。
*1:余談だけど、子供のころ塗り絵(色鉛筆)をしてたら母が教えてくれたことを思いだしました。色の濃淡の使い分けのことで、濃く塗るのはこれ以上無理っていう限界があるから、先に濃く塗るところを塗って、そこからだんだん薄くしていけと。うんうん、それと同じだなw