気まぐれエッセイ@メキシコ

不定期に適当な文章をつづっていきます(現在バヨ中心)

縦書きの本のカバーを逆さまにすると

 今週はレッスンが先生都合でキャンセルになったので、ブログどうしようかなあ、なんか漠然と書きたいことはいろいろあるけど……などと思ってましたが、今朝、変な夢を見て、そのなかで不思議に思ったことがあるので、それについて。たまにはバヨ以外の話題もいいよね?

 

 私がメキシコサッカーの泥沼にどっっっっぷり浸かっていたのは2005年からだったので、もうそろそろ20年近く前になるのか~……。ドイツサッカーはその数年前からだったから、もう20年越えてる。今は、メキシコ代表の試合はだいたい欠かさず見る、くらいに熱は下がってますが。

 その当時、いちばん好きだったサッカー選手、メキシコのDFで名前はサルシード。2006年W杯で活躍して、オランダに移籍して数年活躍。私はちょうどその時期に母とドイツ旅行に行くことになり(メキシコから日本へ、母と合流してそこからドイツへ)、サルシードのいるオランダの町はドイツとの国境近くで、またその国境に近いドイツの町に知り合いがいて遊びに行くことになってたので、日帰りでサルシードに会いにオランダまで行って、クラブのユニを買って練習場へ見学に行き、本人と会ってサインしてもらって写真も撮らせてもらいました。

 そのくらい好きだった選手だけど、今はもうとっくに引退して、稼いだお金で自分の故郷の村に子供たちのためのサッカークラブを設立し、いろいろと頑張っている様子。でももともとそんなに社交的なタイプじゃないので、メディアに露出することもなく、本人のツイッター(現X)も年に数回更新があるかどうか、くらい。

 そんな感じで、サルシードのことは日常からはほぼ消えてるようなものだったんですが、なぜか、今朝、サルシードの夢を見ました。偶然ばったり会って、お話もして、あ~幸せ~、というお花畑な夢だったんですが、そのあとサルシードが立ち去ったら、忘れ物が!! 文庫本とサングラスでした。それを持って慌てて追いかけたんだけど、もうどこに行ったかわからず。あ~、どうしよう、と思いつつ、好奇心に負けて本を開いてみたら……。

 なぜかそれがハヤカワNF(ノンフィクション)。動物関係のテーマっぽいけど、中身は中国語。と思ったら、右のページは中国語で、左は日本語の対訳だった。へえ~、サルシード中国語勉強してるんだ(実はその前にしゃべったとき私と一緒にいたのがなぜか中国人で、サルシードはその人のことを知ってるふうだったので、なんかちょっと納得したり)、でも半分は日本語だし、私でも読めるなあ、でもこの本は返さないといかんしなあ。

 その本は、どこかの古本屋で買ったようで、ちょっとぼろっちくなった本屋さんのカバーが掛かってましたが、その下に文庫の普通のカバーがあり、それがなぜか上下逆さまになってました。間違ってるやん、これ、と直してあげようと思って、あ! と思い当たることがあり。

 

 夢はもう少し続きましたが、まあ関係ないので割愛。本は返せたのかどうかわからないまま、目が覚めてしまいました。残念。

 

 で、本のカバーなんですが。

 縦書きの本と横書きの本って、開きかたが逆になるじゃないですか。私の日本語の本を見たドイツ人やメキシコ人(で日本語をさっぱり知らない人)から、何度も、これどうなってんの?と質問されたことありました。

 たいていの人は、本を逆さまにして開きます。でもそうすると文字が下揃いになっちゃってるのは視覚的にわかるので、あれ? あれれ? となる。外から見て、表表紙と裏表紙は明らかにわかるので、これ左右逆になってるよ???と困惑する。

 一度は、日本語の縦書き文書をプリントアウトして、お店に持ってって製本を頼んだことがあるんですが、その場合、片面印刷した紙の右側を綴じてほしいですよね。それで、お店のお姉さんに、ここを綴じてください、と渡したんですが、機械のところへ持っていってしばらく考え込んで、戻ってきて、こっち側でしょ?と左端を指す。違うんです、こっちでいいんです、と右を綴じるようお願いする。機械のところへ行ってしばらくして戻ってきて……のループを3回やりました。3回目には(急いでたのもあって)私、半キレで、いいんです! いいからこっちにしてください!!!!ってかなりきつく言っちゃいました。見ればスペイン語じゃないのはわかるだろうに、それを読める私がこっちって言ってんだから、黙ってそのとおりにしろや!!!

 でもとにかく、そのくらい右綴じというのは横書き文化の人にとって不自然なものらしい。縦書きでも、それを左から右へ読む、と思うんでしょうね。それなら確かに左綴じでいいんだけども。

 

 さて、夢のなかのサルシードが、日本語/中国語の本のカバーを逆さまにつけてたのを直そうとして、私が気付いたことは、こうすると、横書き文化の人にとっての本の上下が自然になる、ということです。あー、だからサルシードはカバーをこうつけたんだ!(注:あくまでも私の夢の話なので、現実のサルシードがやってるとは限りません、ていうか、たぶんやってない、縦書きの本を所有すらしてないと思う)

 と夢のなかでは納得して、直すのをやめたんですが、目が覚めてからそのことを思い返していて、それ本当かな? よくあるじゃないですか、夢のなかで、めっちゃ納得してても、目が覚めたら、それなんで???って思う不条理なことって。

 そこで、今ちょうど読みかけで机の上にあった文庫本(ちなみに、池澤夏樹の『ワカタケル』です)で実際にやってみました。カバーを逆さまにしてつけると……いや、本の上下が逆さまになるだけやん?と思いましたが、それはカバーの文字が読めるから本を上下逆さまにしてしまうのであって、読めない人間(横書き文化の)が手に取ると、ほら~! やっぱり横書き本のつもりで手に取ったときに、中身は上下が正しくなる!!

 

 という発見をね、夢のなかでしたってことが何よりびっくりです。しかも、サルシードも本の上下も、最近の覚醒時の意識でまーーーったく気にしたことなかったテーマなのに。脳みその生み出す妄想とは、摩訶不思議。

 もしかしたら遠い昔に、誰かが私の日本語の本を、これ間違ってるよ~とカバーを逆に付け直そうとした、とかいう出来事があったのかも……という気もしますが、意識的に思い出そうとしても思い出せないくらいおぼろげな記憶を(そういうことが実際にあったと仮定しても)、なぜ今、夢で思い出すのか? 不思議です。

 

 書いてみたら、けっこうしょうもない話でしたw 夢の話は、たいてい人に聞かされるとさっぱり面白くない/わからない、というのが定説ですが、これは現実とちょっとリンクしてるし……と思ったんですけどねw

 そういえばだいぶ前に見た夢で、そこで聞いた地名を目が覚めてからグーグルマップで探したら実在した、とかありました。当時書いたその夢の詳細と、その後の顛末はこちら。ちょっとホラー。

http://www.twitlonger.com/show/frukin

 

 夢じゃないけど、昔、小説書いて新人賞に応募してたころ、メキシコのロードノベルみたいなのが最終選考に残って編集さんがついて、出てくる町の名前とかも全部チェックしてくれて、最後に特殊な出来事の舞台となる山奥の村、これは実在じゃないですよね?と訊かれ、もちろんです!(そこだけは私がでっち上げたんだから)と返事を出してから、念のため、とグーグルマップでその辺を見てみたら、ほぼ同じ場所に、ほぼ同じ名前の村があって、泣きそうになったこともありました。

 編集さんにはすぐにその旨連絡し、変更することに。でもその名前には出来事に絡めた意味を持たせていたので(スペイン語ですが)、類語に変更はしましたが、なんかしっくりこなくて、でも他にどうしようもなくて、ま、結局落選したので、その作品が世に出ることはなかったんですけどね。

 事実は小説より奇なり。って、あれ? なんか違う??? と話がずれたところでおしまいです、チャンチャン♪