気まぐれエッセイ@メキシコ

不定期に適当な文章をつづっていきます(現在バヨ中心)

音を遠くまで響かせるには

  先々週は私のコロナ感染でレッスンお休み、先週はオンラインレッスン。今日は、先生が夏休みに入って予定がわからないと言ってましたが、昼過ぎにメッセージが来て、レッスンできますと。私はまだ咳が少し出るけど(検査は受けてないけど、ダンナが陰性だし、私ももう陰性になってると思う)対面でもいいですか、それとも念のためオンラインにしましょうかと訊ねたら、大丈夫、来てくださいとのこと。

 しかもそれからちょっとして、もう時間空いてるから早めに来てもいいですよ、というので、いつもは4時半からのところ、3時半からにしてもらいました。もう何なら、今日は90分レッスンにしてもらおうか……(先々週抜けた分を少しでも取り戻すため)とも考えましたが、60分でも最後のほうはヘロヘロなのに90分は無茶かな、と断念w

 レッスンの終わりにそんなことも話したら、先生(グレーテル)がこの町に来てすぐに大学の音楽科で教え始めたとき、それまではバヨの先生が一人しかいなくて、生徒全員受け持ってあっぷあっぷで、そのうちの何人かをグレーテル先生が引き受けたんだそうですが、そしたら生徒たちが、なんかレッスンがきつい……って言ってたとかw やっぱけっこう集中レッスンなんだな、この先生は。でも私はそのほうがいいですけどね、だらだらと、やったのかどうかわからないような内容より。まあ、その前からいた先生も、生徒全員抱えて大変だったろうから、そんなみっちりレッスンしてられなかったってのもあるかも?

 

 さて、今日も、基礎練とマッケイとアリアだったんですが。毎度グダグダの基礎練はもういいとして(いや、よくないけどw ブログに書くには及ばず……それ言うとこのブログ全部か?)、マッケイの1番2番3番と、それぞれに違うことなんだけど、結局全部ひとつのことにつながっていく指摘を受けました。それは……「遠鳴り」させましょう、ってこと。

 私もわりと最近知った言葉ですが、「遠鳴り」と「そば鳴り」。バヨは何しろ演奏者の耳元でガーガーと鳴ります。が、離れた席にいる聴衆にも同じように聞こえてるわけではないんですよね。私の場合、聴衆は(ほぼ)いませんけど。

 プロが遠鳴りそば鳴りと言う場合は、楽器に依存する割合がメインのよう(つまりそば鳴りする楽器だと、いくらプロが弾いても音が遠くまで届かない)ですが、私レベルだと演奏者の技術がまず問題w 

 

 マッケイの1番はララバイですので、ゆったりとした曲なんですが、弓の返しで音が切れないように、と注意されました。たぶん、特にアップからダウンに切り替えるところ、右小指を丸めなきゃ丸めなきゃ、と思うので、動きがぎこちなくなってよけい音が切れるw

 で、音が切れないようにするにはどうするか? というと、これまでの2年半で習ってきたもろもろのこと、楽器のほうの動きもだけど、特に右腕と弓の動き、肩甲骨、肩、肘、手首、指の関節の運動ですね。それを、「お箸を使うように」考えないでも自然に、無意識に動かせるように。でかいお箸だな~w 菜箸でもこんな長いの、ないぞw

 昔、最初のバヨで習い始めたころ、バイオリニストじゃなかった先生が同じようなことを言ってました。「弓を鉛筆のように自在に動かせるようになるべし、って言うんだけど、あなたならさしずめお箸ですかね」って。

 ともかくそういうことで、音が切れないようにもっぺん弾いてみたら、うまく行ったところもあれば、意識しすぎて?よけいに切れちゃった~!ってところもあり、でも何も考えないで弾いてるよりはマシ? 休符はとりあえず考えないでいいから、とのことで、またも新しい課題です。この段階では、まだ遠鳴りの話にはなりませんでした。

 

 次のマッケイ2番は明るい感じの曲なんですが、これも今日は、もっとリズムを表現して、と言われました。歌うとしても、ただ前を向いて不動で無表情にターララーリーララー、じゃなくて、もっとタァ~ララァ~リィ~ララ~、って体や表情を動かして歌うでしょ?と。

 これもね、レッスン受け始めて1回目か2回目か3回目くらいでも言われてたことなんですけどね。まあ当時は音出すだけで必死だったので、そんなダンスまでできますかッ!って感じでしたw 今は、まあ頑張ればできないこともない……かも?

 しかし思うんですが、先生はキューバ人、バリバリのラテン系、しかもお母さんはバレエダンスの先生。私、日本人、しかも運痴でダンスとか大の苦手。これはもう、遺伝子レベルで差がついてるような気もしますけどねw とはいえ、恥じらいを忘れるおばちゃんの歳にはとっくに突入してますから、この際ダンスでも何でもやってやろうじゃね~の! くらいの思い切りが必要かもしれません。

 で、もう一度この曲を頑張って弾きましたが、弓が安定しなくて変な音があっちこちで出たりして、いいんかこれ……って感じでしたが、先生は頑張りを認めてくれましたw このときに、ちょっと遠鳴りの話が出たんだったかな? もっと音を遠くまで響かせる気持ちで、って。

 

 さて、マッケイの3番はG線メインのじっとりと重い感じの曲です。弾いてみると、う~ん、ビブラートがなんか不安定ねえ、と言われました。ハイ、自覚してますけど、G線はかけにくいんです。と言ったら、構え方と姿勢を直してもらえました。

 私はどうも最初のころから、体全体が右へ傾く癖がありまして、それを心持ち左へ傾くように楽器を構える。すると渦巻きが下がるので、それをしっかり上げる。G線を押さえるときは左肘をもっと内側に入れてもよし。これで指にビブラートかける空間の余裕ができます。

 それから右腕も上げる。脇を開く感じで、肩は上げない。肘もそんなに上げない。手首を上げて、弓を高く持ち、その角度で弓元から弓先まで。ただし、私の場合腕が短いので、弓のうんと先まで行かない(肘がぴんぴんに伸びるのはNG)。

 その状態をキープして、ビブラートかけながら弾いてみました。うん、なんかマシかも。サードポジの小指でビブラートかけるところは頑張ってもほとんどかからないんですけど、と訴えたら、それは今はとりあえずいいから、と言われましたw

 この姿勢を、常に取れるように頑張らねばなりません。が、そんなに楽器と弓を高く持ったら、譜面が~~w こっち向いたら見えるかな?と右肘の先に楽譜が来るように立ったら、先生が、それは逆かなあ、と。バヨの先に楽譜が来るようにするのが普通なんだそうで。でも先生宅の譜面台は低くて、これ以上高くできないとのことで、やっぱり見えないけど、とりあえずこの曲は暗譜してるから問題ないです。

 で、その姿勢で弾いてみたら、ビブラートは少しはマシになったかな、程度でしたが(たぶん)、先生が、ほら、遠くまで響くでしょ、とおっしゃる。え、そうですか? 私、近くにいるんでわかりませんが……。

 

 遠鳴りができてるかどうかの問題点は、自分じゃわからない、ってところですねえ。先生だってすぐそばにいるけどわかってるんだから、慣れたらわかるようになるのかな……。

 でもとにかく、体(筋肉と関節)をうまく使って楽器を響かせれば、それだけ遠くへも音が届くということですね。ご近所迷惑、という言葉も脳裏に浮かびますが……w

 

 

 遠鳴り、そば鳴りの話になるとやはり楽器も問題なわけで(いちおう)、スズキはそば鳴りすると言われたこともあります。私のスズちゃんはちょっと古い時代のものなので、そんなにひどい品質ではないと思いたいところですが、何しろ安かったしなー。ぶっちゃけ、一桁万円でした、楽器だけなら。弓を入れるとやっと二桁万円になるレベル。

 それでも、今の私には充分な楽器だと思ってますが、実のところ、私がこれだけバヨにハマってるのを知ってる母が、早く日本に来てもっといい楽器を買え!とずっと言ってましてw そろそろコロナでの隔離期間も撤廃されて(まあまだこれからどうなるかわかりませんが)、そのうち日本に行けそうだし、そのときにいい楽器と出会いがあれば買おうかなとは思っています(今のスズちゃんも、日本の工房で出会ったものです)。

 ところが最近、バヨに関する記事を読んでいたら、書いてたのは日本の先生かな? 日本人だけど欧州在住の人だったかな? 楽器を買うとき、習ってる先生を通さないで買うと、ご機嫌を損ねる先生もいるという話を読みました……。ひぇ~~~、マジか! そりゃ、習ってる先生のお眼鏡にかなった楽器を買うほうが、双方にとっていいことはわかりますが、少なくとも今の私の環境では、そんなの無理……だよねえ? ていうか隣町で勝手に楽器買ってきましたけど、サブだからそりゃ安物だし、私も期待はしてなかったけど、あのときも先生あんまりいい顔してなかったっけ……???

 それで、今日は先生も時間の余裕があって雑談も少しできる感じだったので、実は母が~、と(責任を母におっかぶせる感じでw)話してみたら、あ~、いいわねえ、うんうん、とニコニコ。なんだ、問題なさそうだな。

 なんかあんまり上等の楽器買っても弾くのが私じゃ楽器がかわいそうな気もするんですけど、と言ったら、それは技術があとからついていくから大丈夫、と言ってもらえました。楽器が良くないと、技術も頭打ちになっちゃうけど、いい楽器を使っていれば上達はするから、とのこと。そりゃまあそうだな~。私の場合はまだまだ今のスズちゃんの天井には指先も触れてない気がしますけどねw 

 とりあえず、その日が来るまで、精進精進。スズちゃんで行けるところまで行っておこうと思います。