今週(バヨ週は木曜に始まり水曜に終わります)は、きれいな音を出すのを目標に、コンチェルティーノばかり練習してます。演奏に関する本を読んだりして(これについてもいずれ)、いろいろと考えるところも多かったですが、おかげでいい刺激を受けて、亀の歩みでも少しずつマシになってる、気がする。
で、今日、ふと思いついたというか思い出しました。もう一本、弓を持っていることを。
カール君買ったときについてきたやつじゃなくて、ちゃんと買ったやつ。それでもまあ安い弓だけど、でも考えたら弓一本でカール君セットのお値段の7割してたんだから、そこそこだよな。今使ってるザイフェルト(ドイツ製弓)は、カール君セット(バヨ+弓+ケース)とほぼ同じ値段(今のレートで、だけど)だったんだから、バヨの世界のお値段ってホント不思議。
ザイフェルト*1の弓は、レッスンを受け始めたとき、使えてはいましたが、弓の毛はだいぶヘタってました。何しろ高温多湿なこの町に、ほとんど使ってはいなかったとはいえ、17年くらい毛替えなしだったわけですから。
スズちゃんの膠剥がれを、隣町の工房に修理に持っていったとき、そこで毛替えもしてもらえるか訊ねたら、う~ん毛替えは苦手なんで、ちゃんとした弓のはやりたくないです、と言われ……w おじさん、私の弓をチェックして、ザイフェルトだと、どのレベルの弓でも「ちゃんとした」弓なのか、拒否されました。
ん~、どうしようかなあと考え、日本のバヨ先生が、セカンドボウとしてカーボンを一本持っておくといいんじゃないかと以前お薦めしてくれてたことと、こちらの先生もカーボン弓(しかもかなり安いの)を期待せずに買ってみたら存外によくて、すっかり気に入ってメインで使ってるという話で、迷ったけど、カーボンなら木の弓ほど個体差はないだろうから通販でも、と思い切って注文したところ、在庫切れでキャンセルされてしまった……。
そこで先生に相談して、先生がカーボン弓を買ったチアパスの工房さん*2から買ってみようという話に。しかし連絡取ってみると、カーボンは今在庫ありませんと。でも木の弓ならあるというので、賭けてみることにしました。イギリスの無名職人さんが作った弓だそうで、郵送してもらいました。
届いたのが去年の末、クリスマスイブイブの23日。ところが、毛を張ってみると、う~ん、ちょ~~~っと曲がってる……。以前、チェコのバヨについてた弓も曲がってて、ぐいっとまっすぐにするとそのときは直るんだけど、弾いてるうちにまた曲がってくる代物で、それでも気にせず弾いてたんですけどね。先生にも見てもらい、工房さんにも連絡して、毛を張り直したら直る程度だから、無料で張り替えますと言ってもらいました。
しかし、そもそもザイフェルトをチアパスまで郵送して毛替えしてもらうあいだの替えの弓として欲しかったので、両方送っちゃうわけにはいかず、結局ザイフェルトを今年に入ってから*3送り、毛替えしてもらって2月頭に受け取り、それからずっとザイフェルトを使ってて、イギリス製のほうはケースに入れてはいるものの、使ってませんでした。
毎度ながら前置き長いな。
で、今日、その弓をふと思い出して、弾き比べてみようかなと。最初に届いたとき使った感じでは、ザイフェルトとそんなに違わない気がして、まあ悪くはないけど、やっぱサブとして保管だなと思ってたんですけどね。
上がザイフェルト、下がイギリス製のです。ラッピング*4の汚れ具合が使用頻度と比例してます。
で、コンチェの第1楽章のいちばん難しいBパートを、このイギリス弓で弾いてみたら……あれ? なんか軽い。弾きやすい。もしかしてこれ、いいんじゃない?
でも出だしのゆったりしたAパートを弾いてみると、ザイフェルトのほうがしっかりしたいい音が出るんですよねえ。うーん、途中で持ち替える……てなわけにもいかないしw AとBのあいだの休符は2拍分(1秒弱)しかないしなw
実際に重さを量ってみたら、ザイフェルト62g、イギリス製64gで、ザイフェルトのほうがわずかに軽いんですけどね。まあ2gなんて誤差範囲で、ほぼ同じと言っていいくらい。でも弓の重さは、重量だけではなくてバランスとかも関わってくるそうで。
結局、何度も弓を換えながら、AパートとBパートを弾いてみたんですが……。わずかな差だけど、やっぱザイフェルトに軍配かなあ。イギリス製のも、もっと慣れたらちゃんといい音出るのかもですけどね。
弓の毛替えは、使用頻度にもよるけど、年に一回くらいはやった方がいいらしいので、いずれまたザイフェルトを郵送で毛替えお願いすることもあるだろうし、不慮の事故もありうるので、替えの弓があるのは心強いです。カール君とスズちゃんほど落差大きくもないしねw
ちなみに、カール君預けてもう二ヶ月も経ちますが、この週末に受け取りに行く予定です。どうなってるか、楽しみ。