気まぐれエッセイ@メキシコ

不定期に適当な文章をつづっていきます(現在バヨ中心)

ヘビ・ア・ラ・カルト(2)

 さて、ヘビの話の続きです。

 知らないから怖い、怖いから嫌いと思うんじゃないかということで、だったら、知れば怖くなくなるよね。昔は、何かを調べようと思ったら、図書館とか学校の図書室に行って本を探すとか、先生や親に訊くとかくらいしか方法がなかった。

 私がドイツの大学で勉強していた20数年前だって、まだそんな感じだった。その大学にはでっかい図書館があって、普通に学生が出入りするところには本棚が並んでいるけど、そこにあるのは一般的な教科書的なものばかり。でも申請すれば地下にある倉庫に入れて、そこはもうミステリ映画だと絶対、停電とかしてドアが開かなくなって、不気味な足音があっちからこっちから迫ってくる……って展開になるよね、っていうくらい、コンクリむき出しの薄暗く寒い空間に、スチールの本棚がぎっしり延々と並んでいる、ってところだった。そんなところに潜り込んで、当時飼ってたカメの情報を求めてうろついたりしたもんですけどね。

 結局、ネット時代になって初めて知った、あれはクサガメだったw そんなことも知らなかったの!? と思われるだろうけど、日本にいたころは私、ヘビには詳しくてもカメはさっぱりだったんですってば。ま、そのくらい情報がない時代だったってこと。

 

 だもんだから、子供のころからヘビの本と見れば買いまくった。子供のお小遣いで買える値段なら自分で、高すぎたら親にねだって。

 実家に帰って、じっくり本棚を眺めたときの感想では、うち、岩石・鉱物に関する本がやたらあるな……だったw 私、石も好きだったんですよね。で、本もそこそこ出てる。でもヘビの本は、それなりにあるけどやっぱ当時は数少なかった気がする。

 実家から去年こっちに送られた、古い愛読書を紹介~。

ヘビの世界 (1977年) (平凡社カラー新書)

ヘビの世界 (1977年) (平凡社カラー新書)

 
これは、半分近くがカラー写真というぜいたくな新書サイズ。著者はスネークセンターなどに勤めていたとのことで、ある程度専門的な知識も織り交ぜながら、ヘビに関する広く浅い見識を網羅。

 

ヘビの生態と飼育法

ヘビの生態と飼育法

 
知る人ぞ知る、爬虫類を愛する第一人者。この本でも、ヘビへの愛を余すところなく発揮して、熱く語ってます。発売日が2000年になってるけど、実際には昭和55年。日本で初めての、ヘビの飼い方本であろうと書かれている。

 

  どちらも100ページちょっと。細かい字でそこそこぎっしり書いてあるから、情報量は少なくはないけどね。

 ドイツは寒い国なので、南国へのあこがれが強いのか、爬虫類飼育天国と言われるくらい、飼育法が発達し、浸透している。関連本の数もすごい。もともと凝り性のドイツ人気質だから、飼育すると言ってもデータを取り、記録を残し、最適の飼育環境を模索するその情熱w 

 ヘビに関しても、こんな本とか。

Schlangen

Schlangen

 
 私がドイツを離れる直前に(これまた発売日が1999年になってるけど、嘘。1994年発行)ほしいけど高いしなあ、と迷っていたら、生物学の友人たちがみんなでプレゼントしてくれたもの。当時で120マルク(1万2000円)くらいしたと思う。学生には大金だった。大判のすごい立派な本。

  他にもあるけど、本の話はこのくらいで。

 

 とにかく、探せばヘビに関する情報は、書籍でもこのくらいはあるし、今ならネットでもっといろいろ出てくる。上記のクサガメもそうだけど、私が中学生くらいのころに山で捕まえたヘビが、当時私と家族が知っていたどのヘビとも違って、すごく不思議だった。

 

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 これ。ネット時代になって、シマヘビやアオダイショウの黒化型のカラスヘビというものがいると知って、ああああ! あれはカラスヘビだったのか! と。いや、上で紹介した本にも今見たらちゃんと載ってるんですけどねw でもこのヘビを捕まえたときはまだ持ってなかったので。

 このカラスヘビは、捕まえてきてかごに入れるとナーバスになって餌を食べないようなヘビもいるなか、まったく臆することなく、入れられる餌をバクバクと食べた。けど、種類がわからないので、餌も(食べるとは言っても)正しい給餌かどうかわからない。体を壊したらかわいそうだから、山に返そうということになり、最後に記念(&記録)写真を撮ってもらったもの。あのころは写真ってフィルム代に現像代とお金かかったから、そうほいほい撮れなかったんだよね。

 

 あのころ、ヘビ好きな子供だった私は、田舎に住んでいたので、そこらへんの山に遊びに行っては、見つけたヘビを捕まえて持ち帰り、夏のあいだだけ飼育するというスタイルをとっていた。冬眠させるのはリスクが高いということは、一応知っていたらしい。

 昨日、上記二冊をざっと再読したところ、『ヘビの世界』の脚注みたいなコラムのところにヘビの飼育について書いた箇所があり、

もしカエルやマウスをどうしても餌にできない人は、野外で採集したヘビを一~二ヵ月間水だけ与えて飼育し、また野外に帰してやればよい。

 という記述があった。この本を読んで、そうしようと思ったのか、それとも買う前からそうしてたのかは覚えてないけど。私の場合、捕まえてきたヘビには、犬の散歩に行ったときその辺にいるカエルを捕まえてポケットに入れて持ち帰り、ヘビのかごにポイッと入れてやってた。カエル、ごめん。捕食シーンをじっくり眺めたりはしなかった。できるだけ見ないようにしてた。

 餌がなかなか手に入らないときは、母親にウズラの卵を買ってもらって、それを人肌くらいに温めて入れてやると、たいてい食べた。

 一度、しばらくヘビにご飯をやってなかったときに、何かの鳥のひなを拾ったことがあった。まだ羽も生えそろってないひなだったので、どうしよう、と父親に見せたら、ヘビにやれば、と言う。ええ~、かわいそうだよ、と言ったら、食ってないヘビはかわいそうと違うんか、お前はそういう(かわいいひなであろうとヘビに食わせる)主義やろ、と怒られた。確かにそれはそうだな、今でいうところのダブスタだよな、と子供心に反省して、心を鬼にして、本当~~に鬼にして、ヘビのかごにそのひなをえいやッと放り込んで逃げた。あとで、父親に、あのひなどうした? と訊かれて、ヘビにやったよ、と答えたら、えええ~マジか、お前残酷~~、と言われた……orz ダブスタはおやじのほうだったw

 

 

 ヘビの話は、前のブログにも前の前のブログにも何度か書いたので、繰り返しを読まされるかたはごめんなさい。まだあるので、来週に続きます。