気まぐれエッセイ@メキシコ

不定期に適当な文章をつづっていきます(現在バヨ中心)

楽器のクールダウンとケアは大事

 こないだ読んだ本。

 

 楽器の手入れとか、だいたい知ってるつもりだったけど、この本で初めて知ったのが、練習/演奏後のクールダウン。

 

 ウォーミングアップは、人間のほうがやらないと音程とかボウイングがぐちゃぐちゃだから、毎回やってます。開放弦でのボウイング練習、スケールやらアルペジオやら、まあメニューが多すぎるので全部じゃなくて、その日気が向いたものをって感じですけど。

 しかし、クーリングダウンなんて考えたこともなかった。練習して、疲れて、何度やってもうまく行かないしもうイヤ!ってなって終わる日もあれば、今日は調子いいな~気持ちよく弾けるな~と最後に一曲通して終わる日もあるけど、そのまま楽器拭いて片付けてました。

 が、この本によると、

「クーリング・ダウン」は、いじめた楽器をいたわるために行います。

 これをするのとしないのでは、楽器の音色、響きなどの安定度が全く違います。

「楽器が響いていない」=「楽器に無理がかかっている」とういことです。無理をかけ続けると楽器は荒れます(以下略、p.131)

 さらに練習についての章にも、

最後に~クーリング・ダウン

 弾けないものを弾けるようにするための、試行錯誤の連続。

 そういった練習のあとの楽器はかなり荒れています。

 疲れてしまった楽器を優しく労わってやりましょう。

 これをするとしないでは、次に楽器を開いたときに、その状態が全く違うのです。

 ほんの数回の丁寧なボーイングでも効果があります。(p.255)

 とのこと。

 

 高校のブラバン時代でも、楽器は大切というのはさんざん刷り込まれてました。練習室は校舎の3階だったかの物理実験室でした。たまに、窓を開けてそこに腰かけて楽器吹いてるやつがいると、先輩たちが「お前落ちても楽器落とすなよ!」と声かけたりw

 しかしバヨ系の楽器はちょっとさらに特別な側面があります。まあ私が持ってる程度の楽器は大したレベルではないとはいえ、それでも1968年に作られたものなので、もう半世紀以上は経ってて、それだけの年数を経て「育って」きた楽器です。まあここ十数年は飼い主が不甲斐なくて、大して育ってないとは思いますが。

 木製の楽器は、木材もそれぞれに個性があり、そこに作り手の技量が加わり、同じものは絶対にない。さらに、これまでの年月のあいだに乾燥していったり、演奏によって響きがよくなったり悪くなったり……しているわけです。木管楽器やその他の楽器でも、それは同じだけど、バヨ系は特に、大事に使えば数百年でも使い続けられるので、よけいに年月の重みが……。

 

 こないだ別のところでそんな話になって、楽器の「木は育つ」(葉っぱや枝が生えるわけではないw)、奏者が「育てる」と言うよね、と。まさに、生き物扱い。サックスのような木管楽器だと、木製部分のリードは寿命が短いので、マウスとかハムスターみたいな? バヨは人間より長い寿命で言うとガラパゴスゾウガメかw

 中古のバヨだと、それまでどんなふうに弾かれていたのか、プロなら弾いてみるだけでだいたいわかったりするんだろうなあ。メニューインが長年愛用していたストラディバリを、パールマンが買い取って最初に録音したバッハの無伴奏のCDを以前聞きましたが、まだそのストラディバリメニューインの音が半分、パールマン半分という感じでした。それくらい、奏者の音がしみこむ楽器です。

 だから、練習後のクールダウンだけじゃなく、練習そのものであまりにもひどい音を出しまくっていると、楽器は「疲れ」るし、「荒れ」るわけです😱セキニンジュウダイ……

 

 とりあえず私の場合、先日肩当てを替えてから響きがだいぶ良くなりました。ほぼ同時にこの本を読んでいたので、クールダウンもちゃんとしてあげるよう気を付けて、だからどっちのおかげか、両方かわかりませんが、ここ数日は、以前気になってた雑音がほぼ出なくなりました。G線の各音、A線のド。

 私がうまくなったわけではないので、練習中にはまだまだボウイング失敗して、音が裏返ったり引っかかったり、咳をしたり、してます。でも最後に、ゆっくりときれいな音を出すように注意しながら開放弦を弾いてやったり、少しはスケールとか、でも無理せずあくまできれいな音が出せる程度のことを数分やってから片付けてます。

 スズちゃん、今までごめんよ……。荒れたまんま片付けたりして。

 

 ちなみに、人間のほうも、この歳になってくると練習後のクールダウン大事! と日本のバヨ先生(ほぼ同い年)から言われました。

 練習を定期的に始めてしばらくは、左の薬指と小指がばね指になったりしてましたしね。今は少し筋肉がついたのか、ちゃんと医者に行って薬をしばらく使ったのが効いたのか、ばね指というほどにはなってません。ただし、開放弦から半音の人差し指の練習始めてから、朝方、左手の指4本が強張っていることはあります(力入れちゃうので)。これも、練習後にもっとちゃんとマッサージとかすればいいんでしょうけど。

 これから長く弾きたければ、体のケアも大事、とバヨ先生に言われました。最近初めてのレッスンにいらした生徒さん、私たちと同じくらいの歳の方だったそうですが、一回で腱鞘炎になってしまって、バヨは断念されたとか……。むしろ一回目だったから、きっぱり諦められたのかもしれませんが、私なんか、こんなに入れ込んでしまった今、体の都合で辞めなきゃならないなんてことになったら、マジで泣きますからね。楽器も大事に、体も大事に、細くてもいいから長く続けていきたいものです。