気まぐれエッセイ@メキシコ

不定期に適当な文章をつづっていきます(現在バヨ中心)

ケースと、左手半音と右肘とフォルテ

 今日はレッスン、通算58回目、対面では12回目。でも今日は、オンラインじゃ難しい、ほとんど無理じゃね?ってことを三つも習った、重要なレッスンでした。

 

ケースの話

 でもね、その前に、問題発生。おとといくらいから、バヨケースのあたり*1、なんかおしっこ臭いなと思ってたんですよ。でも最初は気のせいかなと。ところが昨日、練習しようと近付くと、やっぱり臭い。明らかに臭い。

 うちの7匹の猫たち、粗相をすることはまずないんですが、一匹だけ、ニャンキジが、たまに気に食わないことがあると抗議ションをするやつで。分離不安症もあるっぽい。もともと、どこかからやってきてそのままうちに居ついた放浪猫だけど、とにかく人や猫やワンコが大好き。

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 こいつです。この写真に写ってるのはカール君のケースだけどね。そして、私がバヨを弾き始めたころは、すっ飛んできて私の足をガブガブ噛んでたw だんだん慣れたのか、私の音がマシになったのか、噛まなくなってたけど、最近フォルテの音出し練習してると、たまに「うるさ~~~い!」と抗議しながらやってくる。その仕返しか!?

 まあこいつがおしっこした犯行現場を押さえたわけではないけど、十中八九コイツが犯ニャン。で、昨日は仕方ないので、布張りのケースを外側だけガシガシと洗って干したんだけど……まだ臭い。もう一度洗って、干して、でもレッスン行くまでに乾かない。どうしよう。

 で、マンドリンのソフトケース、ないよりマシってことで、マンドリンを取り出して、タオルで包んだバヨ(スズちゃん)を入れてみる。まあ何とか入る。弓は……カール君に付いてきた弓が入ってる細長いビニール袋を借りてそこに入れ、マンドリンケースから先っぽがちょっと出るけど、これも何とか。

 ただ、マンドリンケースはそんなに古くないのに、こんなことになってた。

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 内布の縁が全部切れて、中のスポンジが飛び出す状態。レッスン前に慌てて、針と糸出してきて、ざっくざっくと縫いつけました。楽器の出し入れをするときに、引っかかって取り落としたりしたら大変だし、糸がたるんだりしないよう気を付けながら。

 バヨの肩のところがちょっときつかったけど、どうにかチャックも閉まった。今日はこれでいいとして、昨日から、新しいケースを買おうかとメキシコアマゾンでいろいろ探して、良さそうなのをリストにして、先生に見てもらう。最近はカーボンファイバー製でもけっこう安いのあるんだねえ。でもそういうのはたいてい中国からで、届くのに時間がかかる(一ヶ月とかもっと)のと、やはりちょっと作りがちゃちみたい。先生も最近買ったという同じようなケースを持ってて見せてくれたけど、縁のゴムがちょっと剥がれてきてた。

 というわけで、私は米国アマゾンからの発送(それだと10日以内に届く)の、でも安物ケースを注文しました。とりあえず、レッスンに行ったりするのに使えるレベルならいいや。来週末くらいに届く予定で、楽しみです。

 あ、万万が一の可能性に賭けて、レッスンの帰りにダンナに、ピアノを買った楽器店に寄ってもらって、バヨケースありますかと訊いたけど、扱ってませんと言われた。そうだろうな。隣町の、カール君を買ったお店のサイトも見たけど、ケースだけってのは売ってなかったしね。

 

今日のレッスン

左手の力を抜く

 さて、出がけにケースのことでドタバタしたので、家を出るのがちょっと遅れ、まあそれでもダンナが送り迎えしてくれたのでタクシーよりはずっと早かったけど、時間ギリギリに到着。ケースの相談とかもして、時間を食ったからだろうけど、今日はスケールとかなしで、いきなり曲から始める! 意外とそれでも何とかなりましたけどね。

 最初は、パガニーニの妖精の踊り。考えたら、この曲を始めたのってオンラインになってから。そして、これをやり始めたころはまだヘ長調スケールをやってなくて、でもファ(♮)が出てくる。開放弦から半音の、左手人差し指が上に行くやつです。

 プロが弾くと、こんな曲。


www.youtube.com

 まあそれでも適当に音程は取れてた。左手、形が崩れてましたけどね。そこを今日は先生にばっちり見られて、弾いてる私の左手の付け根、母指球と小指球というところを先生がグニグニ。そのまま弾いて! らっそふぁっみふぁ~ど、のところですね。最初のらっそふぁを繰り返す。手の甲の角度も、変わっちゃってたのを先生が正しい角度に支えてくれて、力入っちゃってる掌の部分をもみもみ。

 自分でもわかってはいるんです、力入っちゃうところは、触ってもらうと力抜ける(たいていは)。でも一人だとそれができない。場合によっては、そこに何かをテープで貼り付けるとかして、「触ってもらってる感」を出して、とかもやるんですけど、左手の内側っていうのはね……貼ったものが邪魔になると逆効果だし。

 というわけで、これぞ対面レッスンのメリットでした。まあ、家に帰ってやったらできるかって言うと、また難しいけどw でも午後の練習でやってみたところ、前よりはかなりマシ。ヘ長調スケールで指の形もだいぶ出来るようになってきてたのもあるかも。そのヘ長調も、左手に力入りまくって、なっかなか抜けなかったんですけどね。

 これを機に、左手、少しマシになるかな。

 

肘とImpulsoと移弦

 Impulso、インパルスというのは、今までも先生に何度も何度も何度も言われた言葉で、でもいまいちピンと来なくて、一度、どういう意味ですかと質問してていねいに教えてもらったこともあるんだけど、正直、そのときもやっぱりいまいちわかんなかった。

 辞書を引くと、Impulsoは「衝動、推進力、はずみ、勢い」などという訳語が載っているんだけど、先生が言うのは二種類あって(と説明された)、一つはボウイングのときの「推進力」に当たるような意味。「勢い」でもいいかも。特にアップのときの勢い、上向きにしっかり上げて、弓の根もとまで使うべきなのに、私の場合、その勢い、推進力が足りなくて、アップボウの音が、へなっとなってるんだと思う。が、なかなか直せないw

 もう一つの意味は、個別の音に対して使う場合で、こっちは未だによくわかってません。でもまあ、似たような弓の勢いで出す音の強さ、みたいな感じかなあ?

 

 で、今日の妖精の踊りをやってて、「肘を入れる」*2、これも今まで何度も言われたし、一回のレッスンまるまる使って詳しく教えてもらったこともある、理屈ではわかってるし、自分ではある程度はやってるつもりなんだけど、できてないらしい、右肘の問題。

 しかし、肘だけじゃなく、手首とか右親指とか、肩も肩甲骨も、全部関係してくるので難しい。言葉で説明するのは、もっと難しい。とりあえず、全部、力抜け、ということで。

 そして今日知ったこと。「肘を入れる」のとImpulsoは、つながってるのだった! しっかり肘を入れれば、Impulsoができるし、Impulsoをしっかりやれば肘は自然に入る。

 ここでも先生、ばんばんボディタッチしてくれて、私の右手首をつかんで動かす動かす。肘はここ、腕をこう動かして、手首はこうで……(とは言っても、ほとんどが力抜いて自然な形で、という感じで、ソフトタッチ)。何度もやってもらって、体で覚える。なかなか覚わらないけど*3。それでも、そのまま自分でやってみると、何となく形になる。

 そしてそのパート(妖精の三連符でラドミラミドラのとこ)を繰り返していると、移弦がうまく行かない。肘が遅れてるから、と指摘され、さらに肘を入れる入れる入れる……。やってると、移弦がスムーズにきれいにできるようになるから、不思議。

 これはまだ、自分でも言葉にできるほどには習得できてなくて、まあ言葉にできなくても、体でできていればいいんだけど、まだまだこれから練習が必要です。今までも、何度も習ってそのたびにいちおう練習してたのに、他のことをやってるともう忘れて、元の、力入ってがちがちの腕になってたわけだしね……。

強弱のコツ

 それから、コンチェルティーノの第1楽章の最後の重音、これを私は思いっきり弓を押しつけて弾いてました。そうしないと、弦2本ともをしっかり弾けないからさ……。

 そこを注意されて、強弱の話になり。私もこの一週間それなりにいろいろ練習はしたので、質問とかもあって、たくさん新たな発見が。

  • まず、弓で強弱をつけるのは、鉛筆で色を塗るとき濃淡をつけるようなもの。薄く塗るときはできる限り力を抜くし、濃く塗るときは圧力をかけるが、かけすぎると鉛筆の芯は折れてしまう。私も、弓を折るかもよ?とジョーク混じりに言われましたw
  • 弓を、腕や手の力で押しつけてはダメ。それでは音がつぶれてしまう。腕の重さをかけるだけ(これは前に紹介した動画でも言われていたし、言葉では知ってるんだけど、実際にはどうやったらいいのか難しいところ。ただし、確かに腕の力で押しつけるのをやめると、ギーギーいやな音は出なくなる)。
  • フォルテのときに駒寄りに弾くのはいい。ただ、音を強く出すために、ではなく、あくまで圧と速度に合う音質を保つため。弦の真ん中あたり(前の記事で写真に付けた緑の点のあたり)でも、充分にフォルテの音は出る。実際に弾いてみて、これくらいの音量でもフォルテ?と訊ねたら、充分とのことでした。
  • 腕の力で圧をかけると、いやな雑音が混ざらない?と言われ。確かに混ざってます。でも、それは耳元で聞こえる音で、仕方ないのかと思ってた。そうではないとのこと。やっぱり、自分にきれいに聞こえない音はきれいじゃないのだ!
  • そうやって、フォルテの音を出すようあれこれやっているうちに、わかったこと。強く押しつけると考えるからダメなのだ。大きく強い音=弦の振動が大きい、なのだから、いかに弦を強く揺らすか。弓をぎゅうぎゅう押し付けたら、その振動を止めてしまうし、雑音も出る。このとき思い出したのは、打楽器での経験。打楽器も、普通に考えると、打ち付けたときに音が鳴ると思いがちだけど、そうじゃなくて、撥が跳ね返るときに音が出るのです。言ってみれば、鍋に入った水を菜箸ですくいだそうとする感じ。できるだけたくさんの水を鍋の外に飛び散らしたければ、箸を強く水に突っ込むのではなくて、引き上げるときに強く力を入れる、あの感じかな。太鼓とか叩いていると、撥で音を引っ張り上げるような気持ちになる。あれと似て、バヨの場合も、弓で弦から音を引き出す気持ち。考えたらあまりにも当たり前のことで、何を今さら、と言われそうだけど、私には今日の大発見でした。

 

 というわけで、午後の練習は曲はやらずに、今日のレッスンで教わったことを忘れないうちに復習。特にフォルテの音を出していたら、ニャンキジが、うにゃにゃ~~~~ああ!とか言いながら部屋まで来て、私のふくらはぎを噛んだので、相当な音が出ていたと思われw またおしっこすんじゃねぇぞ! と抱っこしてしばらく甘やかしてやりました。

*1:腰の高さの家具があって、その上にいつも置いてます

*2:この「肘を入れる」、先生の言い方を直訳してるだけなんだけど。アップで元弓に来るとき、肘から先だけの動きでは足りなくなって上腕部を動かすことになる、そのときに肘の高さを変えないで、体の軸に垂直に入り込むように動かすことをこう言ってます

*3:覚わる、って方言? 覚えられる、のもっと自然自発的アクション