気まぐれエッセイ@メキシコ

不定期に適当な文章をつづっていきます(現在バヨ中心)

カール・ヘフナー AS160

 昨日は往復6時間の隣町へ行ってきました。バヨの膠剥がれを修理してもらうため工房へ、しかし工房は午後5時からだというし、それを待ってると帰りが遅くなるので、隣町に住んでいる日本人友人に楽器を預けて、午後届けてもらうことに。面倒だったろうと思いますが、無事届けてくれたそうで、来週火曜日に受け取りに行きます。

 

 話が長くなるので、目次つけてみます。興味あるところだけつまみ読みでも。

 

 

お店を何軒も回る顛末

 前の記事で、膠修理自体はせいぜいで足掛け二日しかかからないんだったら……とか考えましたが、メキシコ人を急かすとだいたいろくなことにならないので、やめました。

 で、隣町で会う友人に事前に、どこ行きたい~? と訊かれて、まあすでに何度も行っていろんなとこ連れていってもらってるし、そりゃ都会だからこっちに売ってないものもあるけど……頭が音楽にがっつり向かっている今、そうだ! 都会だから楽器店もあるよね? ケース壊れかけてるし(チャックのつまみが取れて、金属リングで代用してる)、メトロノームもやっぱあると便利かもなあ、楽器店、街中の一角に集中して何軒かあったよね?

 検索してみると、マジでけっこうあって、まあ半数以上は小さな家に店舗を構えて、たぶんほとんどがギター関係、電子音楽関係の部品とか置いてるような感じですが、数軒は少し大きめで、いろんな楽器もそろえてるっぽい。うち一軒はサイトも充実してて、バヨも売ってる! 少なくともサイトでは、19もの選択肢が!

 しかしそのうち16個は2000ペソ(1万円くらい)前後の、本当の初心者向け(子供サイズの分数バヨもそれなりにあり)。私の最初の中国バヨ、あれレベルだろうな。セカンドとしても、これはなし。

 残る3つのうち、4/4(フルサイズ)は2つで、どちらもカール・ヘフナーのアウトフィット(と言うらしいです、楽器とケース、弓、松脂など必要最小限のセット)。2000ペソのよりはまともな音を期待できそう。だけど、お店に行ってみたら、今在庫ありませんとか言われるかもね……。

 

 何しろ急な話であまり時間がなかったんだけど、友達も息子さんの同級生のお兄さんがバヨ習ってるとかで、そのお母さんに訊いてみてくれたりもして、昨日、友人と落ち合って、修理に出す予定のバヨを担いだまま、楽器店へ行きました。

 車を置いて、この辺に集まってるんだよね、お店、と言いながらその通りのほうへ歩くと、すぐそこの角がもう楽器店。とりあえず入ってみる。バヨありますか、と訊くと、今は1500ペソの一個しか、という。あと、注文でヤマハのをお取り寄せできますが、と言われたけど、見もしないで買うのは意味ないし(それなら通販で買っても一緒)、今日欲しいんだし。

 その店の隣も小さいお店で、でもギターとかずらっと並べているので、そこにも突撃。バヨのフルサイズは今ないとのこと。

 さらにその隣が友人が情報仕入れてくれた大きめのお店で、かなりの敷地面積に余裕の空間で上等そうな楽器が並んでる。入っていって訊くと、今は3/4サイズのが一個しかなくて……と言われる。うーーーむ。

じゃあ昨日サイト見つけたお店行こうか、それはちょっと向こうのほうだよね、と信号渡ったところで、私のボロボロテニスシューズの靴底がびろろ~~~んと剥がれて踵だけかろうじてくっついている状態になり、ペンギンさんみたいに足を持ち上げて振り上げて、靴底をぺったん、ぺったん鳴らしながら歩く羽目にw でもとりあえず、小っちゃな雑然とした、どっちかというと電子楽器系の修理します、みたいなところも看板にバヨって書いてあるので、そこで訊いてみたら、1900ペソのが一個だけ。

 びろろ~んぺったん、びろろ~んぺったん、と歩き始めたら、おっちゃんが「あっちに靴の修理屋さんあるよ」と教えてくれ、行ったけど、ないねえ、どこだろねえ、と言ってたら別のおばちゃんが「あっちの公園で屋台出してるとこが直してくれるよ」と教えてくれw 目標の店は目の前だけど、とりあえず靴を何とかしないと、とそっちに向かったけど、公園にたどり着く前にコンビニがあったので、友人が瞬間接着剤を買ってくれて一件落着。

 で、やっと目標のお店に戻って入り、バヨありますか、と訊いたら、はぁ~、まあ……😒って感じの顔で、こちらにと案内される。十中八九、また2000ペソ前後のやつで、他のはないですって言われると思ってたら、あるじゃないか! サイトに載ってやつが、両方!

 

試奏をお願いする

 ヘフナーのアウトフィット、AS045 というのと、AS160 というのが、ありました! が、どれも(今までのお店もそうでしたが)駒を外した状態で置いてある……*1。弦も見るからに安物の金属弦。でもここまで来て、弾かずに帰るわけにはいかない!

 そこで店員の兄ちゃんに、弾いてみてもいいですか?と訊いたら、あーはいはい、とガラスケースの鍵を持ってきて開けてくれた。が、そこで問題。楽器を弾く、というスペイン語の動詞tocarには、純粋に「触る」という意味もあるのだw 

 ケースから出してくれた楽器、これ、駒立てないと弾けないよね? と兄ちゃんの顔を見ると、へ? って顔で見返されたw つまり、tocarって弾いて音を出して聞いてみたいんですが。

 ちなみにこのお店は、これだけ品揃えがいいのに、狭苦しくて通路にもごちゃごちゃと物が置いてあって、クーラーがなくてめっちゃ暑苦しく、そしてがんがんとロック音楽が鳴り響いているので、会話するにもほぼ叫ばないと聞こえない。いや、登場人物全員、マスクはしてます、いちおう。

 で、試奏室みたいなのがあるかと期待したんだけど、ないらしく、兄ちゃんは試奏? 無理無理無理、って感じの反応。でも自前の弓持ってきてるし肩当ても松脂も持ってるし、と言うと、あー、とちょっと納得の顔をしかけてから、でも弾くと楽器が汚れますからねえ、と言う。それは弾いたあとでちゃんと拭き取りますよ、そのための布も持ってるから、楽器の表面も、弦も、いつもやってることだし。と言うと、でも弦を張ると、切れることがあるんですよねえ、とまた渋る。弦ったって、ドミナントやピラストロ*2張ってるわけじゃなし、私は知ってるぞ、ばら売りのバヨの弦は一本30ペソくらいなことを。切れたらその分払いますよ、と言ったら、ようやく頷いてくれた。はーやれやれ。

 

ヘフナー AS045をいじってみる

 さて、まずは安いほうのAS045の話を。ASというのはAlfred Stinglという名前の頭文字のようで、カール・ヘフナー社の子会社で北京にあるらしい。

 この店にあったのは、ダークチョコレート色の楽器。まず兄ちゃんが、紙に包んでテールピースのところに挟んであった駒を取り出してテキトーな場所に置き、四本の弦をその上に載せて、駒が倒れない程度に張って、ほい、と渡してくれた。駒のあるべき位置から3cmくらい下だったので、それをだいたいの位置*3に置いて、弦を張る……張ろうとしたんだけど、ペ、ペグが回らない~~~! なんだこれ。私のスズキもかなり回りにくいと思ってたけど、そんな比ではない。なるほどこれは弦切れるわ。ペグの差し込み部分が、白無垢の木のままだった気がします。

 そして、当然だけど、がんがんロック音楽鳴ってるなかで、スマホのチューナーなんか役に立たないし、私の耳はもっと役に立たない(音楽鳴ってなくてもまったく自信ない)。あ、今思いついたけど、その場に持ってたスズキバヨと合わせればよかったんか! 複数楽器を扱うことなんてないから、思いつかなかったw

 しょうがないので、弦がある程度まともな音を出せるくらいまでどうにか張って、つま弾いて(がんがんロック音楽のなかで、バヨに耳をくっつけるようにして)音を聞いてみる。うーん、こんなもんか。

 

ヘフナー AS160 をいじってみる

 高いほうの*4AS160は、ずいぶんと黄色っぽい楽器。木目もなんか独特(AS045のほうはダークすぎて木目とかないくらいだった)。しかしペグにはちゃんと何か塗ってあって、スムーズに回る、スムーズすぎて、かなり押し込まないと、するっと戻っちゃうけどw

 こちらも渡された駒を(あとでわかったが、これはこのバヨについている駒じゃなくて、もっと安物のについていたやつだった)立てて、弦をそこそこまで張ってつま弾くと、はっきり響きが違う。まあこの価格帯ならそれが普通か。

 行きの車の中でダンナ(隣町に到着後私を下ろして仕事に行った)にも、安物を買うなと釘を刺されていたし、まあ予想どおりではあったので、ほぼこれに決定の心づもりだったけど、それならばもっとちゃんと音を聞こうとG線を巻き上げてたら、びよん!と。あ、切れた、と言ってみたけど、あれ? 切れてない? 駒から外れただけか? と思ったら、兄ちゃんが、切れてる、ここ、とペグボックスの端に当たる部分を指さした。あ、ホントだ。でもこれ、もう買うから、持ってきてる中古の弦にしてもいい?

 と、ドミナントの中古弦のG線を取り出し、突然饒舌になった兄ちゃん(友達が笑ってたくらい豹変した)がいそいそとつけてくれて、とりあえず魂柱倒れるのがいちばん怖いから、弦張ったままで、と言ったんだけど、駒は、このバヨ用の特製のがあるんで、とか言うので、結局外す。

 ケースとか弓とか、松脂もついてます、すごくいいやつです!ってw 取り揃えてもらって、クレジットカードでお金払って(ここでもちょっとドタバタあったが省略)、友達と一緒に店を出ました。

 出るとき渡されたケースを持って、びっくり。軽っ! スズキが入ってるやつの半分くらいしかないんじゃない? ホントに楽器入ってるん?って軽さ。

 

ケースについてちょっとあれこれ

 ケース、上にも書きましたが、今のスズキを入れてるのは、たぶんメキシコシティチェコの楽器を買ったときについてきたケース、チャックを左右に開く形になってるんですが、その右(バヨのお尻のほう)のつまみが壊れちゃって。金具には小っちゃい穴があるので、そこにかろうじて通る細い針金の輪っかをつけて、それで開け閉めしてます。

 でもレッスンに通うようになって、持ち運びするから、ちゃんとしたケースあった方がいいんかなあ(まあすぐにコロナでオンラインレッスンになって、持ち運びはほぼなくなりましたが)、といろいろ調べたこともあり。

 ケースに求めるのは、頑丈さ、軽さ、価格の安さ。他にもあるけど(雨降りや湿気に対する気密性とか、持ち手やバンドの付け根の頑丈さも重要)、とりあえずこの三つ。で、これ全部は揃わないんだなあw

 頑丈で軽いケースは、高い(カーボンとか)。

 頑丈で安いケースは、重い(木製とか金属とか)。

 軽くて安いケースは、やわ(発泡スチロールとか)。

 

 高価なケースだと、中の楽器と弓より高かったりするのもなあw 重いケースは、今の私にけっこう負担なので、少しでも軽いほうがいいけど……。やわなケースでいいやって使ってて楽器壊したら元も子もない。難しいところです。

 

 今回のヘフナーについてきたケースも、発泡スチロールだと思います。普通の段ボールとかに詰めてあるようなのよりは硬くしっかりした感じですが、どのくらいの圧力に耐えられるのか? 今後、コロナワクチンが行き渡って(バヨレッスン関係者でまだ受けてないのは私だけ)対面レッスンできるようになったら、どっちのケースで行こうか迷うところ。まあタクシーに乗って10分かそこら往復するだけなら、軽いほうでもいいかなあ。ダンナが車で送ってくれるなら、なお心配はいらないし。あ、でもこの町のタクシーは運転が乱暴でよく事故を起こしているので(物損がほとんどで、人身にはほぼ至らないですが、バヨは物損するしなあ)、それを考えるとやっぱり……?

 いつかまた日本に行く日が来て、飛行機に乗るなら、重くてもしっかりしたケースを選びますかね。

 

購入したヘフナー AS160、細部の紹介

 さて、楽器店を出て友人の車に乗り込んですぐに、駒を立てて弦を軽く張りました。車の振動とかで魂柱倒れたら、また使い物にならなくなるし。いやそもそもこういうバヨの魂柱って、もしかして接着してあったりする??? 不思議です。

 車の中ではいろいろ無理があるので、その後友人宅へお邪魔して、そこで弦をすべて取り替えました。去年の12月まで、一年半使ってたドミナントのG、D、A線と、E線だけはそれが切れて取り替えたので、残っていたのは日本でスズキを買ったときついていたゴールドブラカット(たぶん)。ざっとだけ調整して、3時間のドライブに備え、帰宅したのは晩の7時。

 犬の散歩とかいろいろやって、ダンナは8時からオンライン講習会。私は自分の部屋で、バヨを取り出します。

 

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 ケース。開けます。

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 ビロード?の布がかぶさっています。これ、固定されてないので、どっか行ってしまいそうですが、高温多湿なこの辺では、弓の松脂が楽器に付きそうなので、重要。私のもう一つのケースにはこれがないので、代わりに大きめのハンカチをいつもかぶせています。

 

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 布を取り除くと、こんな。ネックのところをマジックテープで留めるバンドが付いています。が、中のスペースはちょっと狭くて、肩当てが微妙。何とか入るけど、ちょいぎゅうぎゅうな感じ。小物入れはここに写ってませんが、小さいです。

 

 バヨは上の写真だとけっこう普通に赤茶色く見えますかね。

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 別角度からだとこんな感じ。黄色というか、かなりオレンジがかってる?

 

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 裏はこんなです。そういえば店では裏をチェックするのをすっかり忘れてました。帰ってから見たら、木目の節らしきうっすらしたくぼみが一か所、そしておそらくケースの中で金具にぶら下げてあったんですが、そのときにぶつかったような軽い引っかき傷がありました。けっこう目立つ場所なので残念ですが、まあ音にはそんなに影響ないかな……。

 

 安物バイオリンで、複数のレビューで問題ありとされていたナット(上の駒)の弦の位置ですが、

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 これは、びみょ~~~~に真ん中が両側の二つより狭い気がするものの、まあ許容範囲か?

 ペグは上に書いたように、回りやすい。回りすぎるくらいw

 

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 そして、テールピースはこんなん。

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 おそらく樹脂製? アジャスターが4つついてるタイプ。シティで買ったチェコの楽器を大阪の工房さんに持ち込んだとき、金属製アジャスターを4つ付けてたんですが、なんでこんなに付けてるの?とびっくりされましたw いや、先生(当時)が付けろって言うから……。実際、普通にアジャスタを付けるE線はもちろんですが、他の弦だって微調整難しいから、いいアイディアだと思うんですけどね。少なくとも初心者には。

 でも今はもう、アジャスタなくてもまあまあ調弦できるから、こんなになくてもいいんだけど……。そもそもかなり安っぽい感じがするので、交換するならまずこれかなあ。と思ったんですが、日本の先生(購入前からいろいろ相談に乗ってもらいました)からは、テールピースは自分では交換できないと……。そうか、考えたら弦を全部外さないといかんし、また駒の調整から始めて、しかも魂柱倒す危険が高いか。

 

 ネックの裏だけ、なぜか色がついてません。

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 それともう一つ気付いたこと。これは表板の真ん中のはぎ目がわかる

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 木目が細かいので、ぱっと見気になるほどではありませんが、よーーーく見ると模様が違う。面白い😃

 

 あと、f字孔から覗いただけですが、魂柱がやけに細いです。これは写真撮れないんですが、大丈夫!?って感じに細い。

 

 さて、駒を正しいと思われる位置に置いて、弦を張ります。友人宅でいちおう張った中古の弦は、A線が駒より下の部分でほつれてました。外して、これよりさらに古い弦(切れたの以外は全部、万が一のときのために保存してる貧乏性w だってすぐに買いにいけないんですもん)をつけました。ほつれたのは、こんな感じ。

 

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 この時点で弦はまだ切れてませんが、まあ時間の問題かなと。そして、毎度切れるE線だけは、残っているのが、日本でスズキを買ったときついていたゴールドブラカット(たぶん)なので、それを。

 弦をチューニングすると、駒が前倒しになります。それをまっすぐ(楽器の表板に対して直角に)直すと、チューニングが狂う、弦を巻き上げる、駒を直す、の繰り返し。やっとこさ、どうにか両方が整って、いよいよ弓を当ててみました。

 

実際に弾いてみた

 最初に開放弦、G、D、A、Eと弾いてみたところ。音が小さい……。スズキの半分くらいの感じです。特にA線は、他の3本よりさらに小さい。チューニングのときもA線だけ他と手ごたえが違ったので、弦のせいかも?

 そして、音が全体になんか籠った感じ? プールで耳に水が詰まったときに聞こえるような音のような気がする。こういう音の楽器なんかしらん? それとも弦のせいかなあ? 帰宅してすぐに、ドミナントのセットを注文してこの週末に届く予定で、来たらまたそれに張り替えますが(バヨ買ったお店にはピラストロのセットがあったんですが、迷った挙句買わなかった)。

 

 さて、どうしたもんだか、とちょっと前に読んだ弦楽器メインテナンスの本などを引っ張り出してきたり、駒と魂柱の位置関係で音の性質変わるから、魂柱は動かせないとしても駒のほうを動かしてみようか、などと調べていたら、あ!

 駒の角度と、位置の高さ、左右のゆがみは気にしてましたが、そもそも中央に来てるかどうかのチェック忘れてた! 見てみると、やっぱりちょっと右に寄っていたので、また駒を調整、チューニング、調整……の繰り返しw

 それからもう一度弾いてみたら、音、少し大きくなったかも。でももう夜の9時過ぎてましたしね、ダンナは別室でオンライン講習受けてるし(それでも遠慮なく弾いてた私。見に行ったら部屋のドアが閉まってたw あとで訊いたら、「すごいでかい音だった!」とのこと……。もしやスズキはいわゆるそば鳴りする楽器だったのか?)。さすがにあんまり思い切った音は出せないから、あとは明日かな。

 

 というわけで、一晩寝かせて、今日の午後(午前はいろいろ用事あって無理)。再びお目見え、チューニングして(半音くらい狂ってた、まあ中古の弦だけど張ってすぐだしね)、弾いてみました。

 

 まず、思ったこと。ネックが太い? スズキより心持ち太い気がする。そう思って眺めると、指板がえらく分厚い気もする。指板って使ってるうちに削れて凸凹になるので、そうすると全体を削って整えるって話、こないだの本にも書いてあったし、新品楽器はこんな感じなのかな。

 ネックが太いせいか、練習一日サボったせいか? 特にG線の小指が届きません……。しばらくやってたら、だんだん(他の音程も)スケールがちゃんと合うようになってきた。

 

 そうやって気ままにあれこれ音を出していて、もう一つ気付いたこと。楽器の振動がすごい。普通に弾いてて、ネックに触れてる左手や、顎や肩にびりびりと振動が来ます。スズキもこんなだっけ??? 慣れてて気にしてなかっただけ?

 ただ、思い当たったのが、日本の先生の言葉。バヨって、いい楽器は数百年でも使えるけど、最初から薄く削った楽器は最初はよく響いても、年月とともに木がへたってくると。そうか、私のスズキもたかが学生用の、しかももう半世紀以上経ってる(そして20年近くろくなメインテナンスしてない)。まさに、先生のその言葉が当てはまってるのかも。

 そしてこのヘフナーは、重さはスズキと同じくらいです(量ったw どちらも520~530グラム)。何年に作られたとか書いてないけど、新しいのは間違いなく、それでもこれだけ軽いということは、たぶんかなり薄く作られている。籠ったような音に聞こえるのは、これはもしかすると倍音がバリバリ出てるのに、私の耳が慣れてなくて、籠ったような音に聞こえてるのか?

 つまりこれも、最初の数年(?)はよく鳴るけど、すぐにダメになるヤツなのかも。まあ値段考えたらそれも納得だし、そのあいだには日本に行って、もうちょいちゃんとしたいいやつを買えるだろう、と思いたい。

 

 明日、火曜にできなかったレッスンの振り替えなので、今日はとにかく新バヨに慣れることを目標に、スケール(ネックが太いから小指が届かない~!)、ボウイング、そして曲の練習。うーん、やっぱなんか音になじめないw でもだんだん楽しくなってきました。明日、先生がなんて言うか楽しみ♡

 

メキシコのバヨ製作は?

  隣町まで行く車の中で、ダンナが、「メキシコでギターと言えばパラチョ*5、みたいに、メキシコ国内でバヨ製作で有名なところってないのか?」と言い出しました。ある、と言えば、じゃあそこへ買いに行こう!と言い出すに決まってるダンナw でも、そういうのは聞いたことないねえ。

 バヨって、メキシコでももちろん普通のオケがあるし、マリアッチでも使うし、需要はあるから作ってる人も修理工房もあるんだろうけど、ギターの圧倒的多数には負けてるかも? 

 ギターって、そりゃ本当にいい楽器はすごくお金も手間もかかってるんだろうけど、バヨに比べたらシンプルで(楽器だけでとりあえず弾けるし)、スポーツで言うところのサッカーが人気(ボールさえあればできる)、みたいに、ギターも取っつきがまずお手軽で、メキシコには向いてるのかも。

 でもバヨももっと人気が出て、習う人が増えたらいいのになあ。

 

 

 

 

*1:数年前に初めて見てびっくりして写真を撮ったことあります。そのときの写真 

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*2:すごく高いわけじゃないけどそれなりのお値段する有名なメーカーの弦

*3:f字孔のfの横棒がある高さ

*4:と言ってもぶっちゃけ、アウトフィットでも私のスズキの半分以下だけど

*5:ミチョアカン州にある小さな村。私の持ってるギターも、この町に住んでるおじさんが作ったものですが、そのおじさん一族はパラチョ出身だそうです。